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PSVR発売から10年。公表された台数は「500万台」が最後、PSVR2では数字が出てこない

PSVR発売から10年。公表された台数は「500万台」が最後、PSVR2では数字が出てこない

2016年10月13日、PlayStation VR(PSVR)が発売されました。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の VR ヘッドセットです。この秋で10年になります。

10年を振り返るとき、いちばん知りたいのは「結局どれだけ売れたのか」でしょう。ところが調べてみると、SIE が公式に出した PSVR の累計台数は、一度しか見つかりません。そして後継機の PSVR2 では、その一度すらありません。この「数字が出てこない」こと自体を、今回は記事の主題にします。

10年前に何が出たのか

PSVR は日本で2016年10月13日、44,980円(税抜、型番 CUHJ-16000)で発売されました。PlayStation Camera が必須のため、Camera 同梱版が49,980円(税抜)で同時に用意されています。海外価格は北米399ドル、欧州399ユーロ、英国349ポンドでした。

PS4 につなぐ前提の設計です。専用の計算機を積まず、母艦である PS4 の性能を借りる構成でした。ヘッドセット側の部品を減らせる分、価格を抑えられます。

公式に残っている数字は「500万台」だけ

SIE は2020年1月6日(現地時間)のプレスリリースで、PSVR の累計販売台数を発表しました。2019年12月31日時点で500万台という数字です。このリリースは PS4 の累計1億600万台を伝えるもので、PSVR の数字はそこに並記されています。

つまり500万台は「PSVR 単体の記録として出された数字」ではなく、「PS4 の実績を伝える場に添えられた数字」です。この出方は、後で効いてきます。

そして、けん玉が調べた範囲では、SIE がこれ以降に PSVR の累計台数を公表した例は見当たりません。発売から3年3か月の時点の数字が、10年たった今も最後の公式値として残っている状態です。

PSVR2 では、その一度がない

PSVR2 は2023年2月22日、74,980円(税込)で発売されました。初代の44,980円は税抜表記なので、単純な差額では比べられません。PS5 とはケーブル1本でつなぐ設計です。片目2000×2040の有機ELパネルを積んでいます。視線を検出するアイトラッキングと、本体が振動するフィードバック機能も新たに備えました。

ソフトも出ました。『バイオハザード ヴィレッジ』の PSVR2 対応版は、本体と同じ2023年2月22日に提供されています。『バイオハザード RE:4』にも、2023年12月8日に VR モードが無料DLCとして追加されました。2024年8月7日には PC で使うための専用アダプター(8,480円・税込)も出ています。製品として放置されているわけではありません。

それでも、SIE は PSVR2 の累計台数を公表していません。公式・非公式を問わず、継続的に追える数字がない状態です。10年前の初代には「500万台」がありましたが、後継機にはそれがありません。

数字を出す製品と、出さない製品

けん玉の見方はこうです。これは PSVR2 が失敗したかどうかの話ではなく、ソニーが「どの製品について数字を出す会社なのか」の話だと思います。

ソニーグループは、PS5 の累計実売台数を決算資料で四半期ごとに開示しています。直近では2026年3月末時点で9,360万台です。据置機は投資家に対して継続的に説明する対象になっていて、四半期ごとに数字が積み上がっていきます。

一方で VR ヘッドセットは、この四半期の定例開示には含まれていません。数字が出るとすれば、1億台のような節目に合わせた個別のリリースの中だけです。初代の500万台も、まさにその形で出ています。本体の実績を語る場に「ついでに出せる状態のとき」に出て、それ以外では出ない。そう考えると、PSVR2 で数字が出てこないのは方針の変更ではありません。もともとそういう扱いの製品だった、と読むほうが素直です。

だから「公表がない=売れていない」と断じるのは早いと、けん玉は思います。同時に、「公表がないから好調かもしれない」と期待するのも同じくらい根拠がありません。分かるのは、SIE が継続的に説明する義務を負っていない製品カテゴリだ、ということだけです。

結論

10周年に向けて確かに言えることは、そう多くありません。PSVR は2016年10月13日に発売され、2019年末までに500万台に達しました。公式に確認できるのはここまでです。PSVR2 は仕様を上げ、対応ソフトも出て、PC 対応まで広げましたが、台数だけが出てきません。

この「出てこなさ」は、悲観にも楽観にも使わず、そのまま受け取っておくのが誠実だと思います。「PS4 を持っていれば VR に手が届く」という初代の提案は、価格の付け方も含めてよくできていました。だからこそ、後継機の実績が語られないのは少し寂しくもあります。次に数字が見えるとすれば、PS5 が大きな節目を迎えて単独のリリースが出るときでしょう。10周年の10月13日に SIE が何か触れるかどうか、そこは見ておきたいところです。

※ 500万台以降に SIE が PSVR 単独の累計台数を公表した例の有無は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。

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