12年ぶりの完全新作『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』が、10月15日に発売されました。探索型の2Dアクションです。この連載では、それに合わせて1986年の初代から悪魔城ドラキュラを1本ずつたどっていきます。
【連載 第1回】悪魔城ドラキュラ(1986)、ディスクシステムとMSX2で同じ年に生まれた別物の2本

1本目は出発点の1986年です。この年、『悪魔城ドラキュラ』という同じ題名のゲームが、ディスクシステムとMSX2で1本ずつ出ました。主人公はどちらもシモン・ベルモンドですが、中身は遊び方からして別物です。
1986年の秋、ふたつの機種に出た2本
まず、2本の違いを表で並べます。
| 項目 | ディスクシステム | MSX2 |
|---|---|---|
| 発売日 | 1986年9月26日 | 1986年10月30日 |
| 媒体 | ディスクカード | ROMカートリッジ(メガロム) |
| 進み方 | 横にスクロールするステージを進む | 1画面ずつ切り替わる城を探る |
| ハートの使い道 | サブウェポン | サブウェポンと買い物 |
| 海外での題名 | 北米で1987年に『Castlevania』 | 欧州で『Vampire Killer』 |
ディスクシステム版、ムチの間合いで進むステージクリア型
ディスクシステムの発売から半年あまり後に出たのが、1本目の『悪魔城ドラキュラ』です。コナミにとってはディスクシステム参入の第1弾で、公式サイトは「玄人向けホラーアクション第一弾」と紹介しています。
ベルモンド一族の青年シモンが、復活したドラキュラの城へひとりで乗り込みます。待ち受けるのは、フランケンシュタインや狼男、死神といった西洋の怪物たちです。
武器は父から受け継いだムチです。振ってから当たるまでに一呼吸あり、そのぶん射程は少し長くなっています。剣で斬るのでも弾を撃つのでもないこの間合いを、どう使いこなすかが攻略の中心でした。
城は6つのブロックに分かれ、それぞれ3ステージで全18ステージです。ハートを集めておくと、ムチとは別にサブウェポンを使えます。
敵に触れると後ろへ弾き飛ばされ、そのまま穴に落ちることもあります。振りの遅さと合わせて、一歩の踏み込みに慎重さを求める作りです。ディスクカードの作品らしく、名前を登録して進み具合を残すこともできました。
当時のファミコン通信のクロスレビューは34点で、ゴールド殿堂に入りました。
音楽は山下絹代さんたちの作曲です。ステージ1で流れる曲は「Vampire Killer」といい、続く作品でも使われてシリーズを代表する1曲になりました。表にあるMSX2版の欧州での題名と同じ名前ですが、こちらは曲の名前です。
MSX2版、鍵を探して城を巡る別のゲーム
MSX2版は、ディスクシステム版のひと月あまり後に出ました。コナミのMSX2専用タイトルの第1弾です。同じ題名・同じ主人公ですが移植ではなく、同じ舞台で別の遊びを組んだ作品です。
画面はスクロールせず、端まで歩くと次の画面へ切り替わります。城は全18ステージで、ディスクシステム版より迷路のように入り組んでいます。
各ステージには出口の扉があり、開けるにはどこかに隠されたホワイトキーが要ります。右へ抜けていけば終わりではなく、部屋を行き来して鍵を探すのが基本の動きです。
探す途中で出会うのが、通路や壁の中に現れる老婆です。ムチで叩くと色が変わり、赤くなるとアイテムを出してきます。代金はハートで、最大99個まで貯まるハートが通貨も兼ねています。
青い宝箱はイエローキーで開き、十字架、盾、砂時計、聖水、ブーツなどが入っています。砂時計と聖水は、使うたびにハートを5つ消費します。
残機は3人で、途中で増えることはありません。3ステージごとに強い魔物の部屋があり、そこを抜けるとハート以外のアイテムは手元から消えます。集めた道具を抱えたまま進めないので、区切りごとに探し直しになります。
探索の手ざわりは、最初の年にすでにあった
鍵を探す、宝箱を開ける、ハートで道具を買う。どれもディスクシステム版にはない遊びです。城を行き来して道具をそろえ、閉じた扉を開けて先へ進む。のちのシリーズが探索型へ移ってから中心になる遊び方と、同じ向きを向いています。
これは開発した側の言葉ではなく、仕組みを並べてみての見立てです。それでも、探索の手ざわりが1986年の時点でMSX2版にあったことは見て取れます。シリーズがこの方向へ本格的に踏み出す流れは、次の回から追っていきます。
一方のディスクシステム版は、ムチの間合いと「Vampire Killer」で、シリーズの顔を決めました。同じ年の2本が、それぞれ別の柱を先に立てていたことになります。
今遊ぶなら、1993年のファミコン版が入口
今の機種で遊べる初代は、1993年2月5日にファミコン用カセットで出し直されたものが中心です。中身はディスクシステム版を元にしていて、名前の登録とセーブを省き、イージーモードを加えています。
スマートフォン向けに配信されているのもこの1993年のファミコン版で、10月24日23時59分までは無料です。配信の詳しい条件は初代のスマホ向け配信が無料になった記事にまとめました。
『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』にも、このファミコン版が入っています。シリーズ8作品を集めたもので、Switch・PS4・Xbox One・Steam で出ています。
Steam のストアページでは、10月15日時点で3,300円です。
1987年には、任天堂のVS.システム向けにアーケード版の『VS. Castlevania』も出ました。「アーケードアーカイブス VS. キャッスルヴァニア」として Switch と PS4 で遊べます。Switch では10月15日時点で838円です。
MSX2版は、2014年12月17日に Wii U のバーチャルコンソールで配信されました。ただ、Wii U のニンテンドーeショップはすでに販売を終えています。
PC向けのレトロゲーム配信「プロジェクトEGG」で扱われていたことがあります。遊びたい人は、プロジェクトEGG のサイトで今の配信状況を確かめてください。
けん玉のひとこと
同じ題名で中身の違う2本が、ひと月違いで出ていたというのが面白いところ。片方は間合いを詰めて進むステージクリア型で、もう片方は鍵を探して部屋を行き来する型です。40年続くシリーズの二つの顔が、最初の年にもう並んでいたんですよね。
MSX2版は、部屋を書き写して地図にしたくなる作りだったはず。今の探索型ほど親切ではないぶん、隠れた鍵を自分で探し当てたときの手ごたえは大きかったと思います。
ただ、MSX2版に今すぐ手軽に触れる環境は限られます。まずは10月24日まで無料のスマホ版で、ムチの間合いを確かめるのが入口になるはず。
ベルモンドカースを遊んだあとに初代へ戻ると、40年分の距離がよく分かるんですよね。次の回は、1987年の『ドラキュラII 呪いの封印』です。そちらもお付き合いいただけたらうれしいです。
※ プロジェクトEGG での MSX2 版の配信状況は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
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