コラム

ARC RaidersのPvE専用テストとSYNDUALITYのオフライン移行、脱出シューターがPvEへ寄る理由

ARC RaidersのPvE専用テストとSYNDUALITYのオフライン移行、脱出シューターがPvEへ寄る理由

対人戦を前提に作られてきた脱出シューターで、PvE へ寄る動きが続いています。9 月 24 日、『ARC Raiders』の Embark Studios が PvE 専用の限定テストを告知しました。

同じころ、バンダイナムコエンターテインメントからも発表がありました。『SYNDUALITY Echo of Ada』のオンラインサービスを終了する、という内容です。あわせて、オフラインの PvE 版へ無料で移行できることも発表しています。

向かう先は似ています。ただ、二つの発表は立っている場所がまるで違います。

PvE専用テストが映す、対人前提のズレ

Embark Studios の告知によると、テスト期間は 10 月 13 日から 20 日までです。全プレイヤーが対象で、これまでの PvPvE と PvE 中心の体験を切り替えて遊べます。

PvE 側ではプレイヤー同士のダメージがゼロになります。同じマップに他のレイダーがいても、撃ち合いにはならないという形です。持ち帰りまでの緊張は、ARC と呼ばれる機械の敵がすべて受け持つことになります。

目を引いたのは、Embark がこの判断の根拠として数字を出したことです。アンケートに答えたプレイヤーの 51% が、PvE 専用の選択肢に関心を示したと発表しました。

さらに内訳も公開されています。協力を重んじる層が 37%、両方を行き来する層が 27%、対人だけを求める層が 34% でした。

対人一本という前提を支えていたのは、実はプレイヤーの 3 分の 1 ほどだった、と読める数字です。脱出シューターというジャンルの土台が、作り手の想定とずれていた可能性があります。

ただし、これはあくまで限定テストの告知です。PvE 専用モードを正式に実装するとは、どこにも書かれていません。Embark Studios の告知を読む限り、1 週間の反応を見てから決める段階にあります。

サービスの終わりかたを先に決めたSYNDUALITY

『SYNDUALITY Echo of Ada』は 2025 年 1 月に発売されたバンダイナムコの TPS です。他のプレイヤーと同じフィールドに降り、資源を持ち帰る、脱出シューターに近い作りだとされています。

公式サイトによると、オンラインサービスは 2027 年 5 月以降に終了する予定です。正式な終了日は 2027 年 3 月に案内されます。ゲーム内通貨 SYN COINS の販売は 2026 年 12 月 18 日で終わります。

そのうえで、オフライン版への移行についてが別に用意されました。2026 年 12 月に移行期間を設け、追加料金なしでオフラインの PvE 版へアップデートできます。移行にはネットにつないだ状態での操作が必要です。

サービスが終わればソフトが起動しなくなります。オンライン専用の作品では珍しくない結末です。

そこから逃れる手段として PvE を用意した、という点でこの告知は重いものがあります。オフライン版で何がどこまで遊べるのかは、まだ公表されていません。

PvEの足し方は同じではない

このジャンルで PvE を後から足した例は、ほかにもあります。『Escape from Tarkov』では 2024 年 7 月、PvE モードが単体課金で開放されたと報じられています。対象は全所有者で、価格は約 20 ドルでした。

『Marathon』は 2026 年 3 月、PvPvE の脱出シューターとして発売されました。9 月下旬には、恒久的な PvE モードの追加を発表したと伝えられています。導入は 12 月のアップデートの予定です。

四つ並べると、PvE の足し方が同じではないことが見えてきます。Tarkov は有料の追加、Marathon は運営中の無料追加です。ARC Raiders はまだ試している段階、SYNDUALITY はサービス終了の受け皿です。

動機も費用も時期もばらばらです。共通しているのは、対人の緊張が合わない人が想定より多かった、という認識だけだと思います。

裏を返せば、脱出シューターの面白さは対人だけに支えられていなかった、ということでもあります。装備を持って降り、失う危険を抱えたまま出口を目指します。その手ごたえは、相手が人でなくても残るのかもしれません。

けん玉のひとこと

脱出シューターの緊張は、他人に奪われるかもしれないという恐さから来ています。そこを外したら別のゲームになるのでは、と最初は思ったんですよね。

でも Embark が出した内訳を見て、考えが変わりました。対人だけを求める層は 34% でした。

残りの人たちは、恐さそのものではなく、それを越えて持ち帰る手ごたえを味わいに来ていたのかもしれません。だとすれば、相手を機械に置き換えても成り立つはず。

引っかかるのは、PvE を足したぶん対人側が薄くならないか、というところ。プレイヤーが二つに分かれれば、マッチングの待ち時間は伸びます。テスト明けに対人側の待ち時間が変わらなければ、この心配は要らなかったことになります。

SYNDUALITY のほうは、素直に良い決め方だと思いました。オンラインが終われば手元のソフトが飾りになる作品は少なくありません。追加料金なしでオフラインに残す手を、発売から 2 年足らずで示したところ。

10 月 13 日からのテストで、ARC Raiders が何を持ち帰るのか。対人が苦手で手を出せずにいた人には、1 週間だけ扉が開く機会になります。気になっていた方は、この週を空けておくといいかもしれません。

※ Escape from Tarkov と Marathon の PvE 追加の経緯は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。

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ARC Raiders

PS5/Xbox Series X|S/PC。2025年10月30日発売の脱出シューター

SYNDUALITY Echo of Ada

PS5/Xbox Series X|S/Steam。2026年12月にオフラインPvE版へ移行予定

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