「グランツーリスモ」シリーズの全世界累計販売本数が1億本を超えました。公式サイトが2025年9月25日に発表したもので、達成したのは同年6月25日です。
グランツーリスモ累計1億本、28年の歴代タイトルと数字の積み上がり

初代『グランツーリスモ』がプレイステーションで発売されたのは1997年12月23日。そこから28年かけて積み上がった数字になります。
節目ごとの公表値をたどると、このシリーズがどの時期に伸びたのかが見えてきます。歴代タイトルと一緒に並べ直してみました。
1億本までの積み上がり
| 時点 | 累計販売本数 | そのころ出た作品 |
|---|---|---|
| 2005年4月 | 4,367万本(初代〜『4』の6タイトル) | グランツーリスモ4(2004年12月) |
| 2008年 | 5,000万本 | ― |
| 2010年12月 | 6,000万本 | グランツーリスモ5(2010年11月) |
| 2013年 | 7,000万本 | グランツーリスモ6(2013年12月) |
| 2018年4月末 | 8,040万本 | グランツーリスモSPORT(2017年10月) |
| 2025年6月 | 1億本 | グランツーリスモ7(2022年3月) |
2005年の数字はソニー・コンピュータエンタテインメントが発表したものです。初代から『グランツーリスモ4』までの6タイトルを合わせて4,367万本。プレイステーション2の時代に、すでに4千万本を超えていました。
2008年の5,000万本と2013年の7,000万本は、今回の1億本の発表に添えられた年表に載っています。あいだの2010年12月10日には、6,000万本突破が伝えられました。発表はソニー・コンピュータエンタテインメントのプレスリリースです。
このとき『グランツーリスモ5』は発売から12日で世界550万本を売っています。国内だけで55万本。1本のソフトがシリーズ全体の数字を一気に押し上げた時期でした。
そして2018年5月の発表で8,040万本。ここから1億本まで、7年かかっています。
面白いのは、そのペースがほとんど変わっていないことです。2010年12月からの7年4か月で2,040万本。2018年4月からの7年2か月で1,960万本。年あたりに直すと、どちらもおよそ275万本になります。
ハードは PS3 から PS4、PS5 へと替わりました。遊び方もオンライン中心に移りましたが、積み上がる速さは変わっていません。
実車を借りて、コースは自前で作った
1997年の初代は、実在する自動車メーカーの車を約100車種、146グレード以上そろえて発売されました。トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スバル。海外からもアストンマーティンやシボレーが並んでいます。
その一方でコースは全11すべて架空でした。車には実名を使い、走る場所は自前で作る。この組み合わせから始まっています。
そしてこの作品は、自らを「ドライビングシミュレーター」と名乗りました。独自の物理演算エンジンを積み、レースゲームではなく車を運転する遊びだと位置づけたわけです。
開発を担ったポリフォニー・デジタルは、初代の翌1998年に独立します。位置づけはソニー・コンピュータエンタテインメントのサテライトカンパニーでした。以後の28年、シリーズはこの一社が作り続けています。
歴代11作、機種はずっとプレイステーション系
| 作品 | 発売日 | 機種 |
|---|---|---|
| グランツーリスモ | 1997年12月23日 | PS |
| グランツーリスモ2 | 1999年12月11日 | PS |
| グランツーリスモ3 A-spec | 2001年4月28日 | PS2 |
| グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO | 2002年 | PS2 |
| グランツーリスモ4 | 2004年12月28日 | PS2 |
| ツーリスト・トロフィー | 2006年2月2日 | PS2 |
| グランツーリスモ | 2009年10月1日 | PSP |
| グランツーリスモ5 | 2010年11月25日 | PS3 |
| グランツーリスモ6 | 2013年12月5日 | PS3 |
| グランツーリスモSPORT | 2017年10月19日 | PS4 |
| グランツーリスモ7 | 2022年3月4日 | PS4 / PS5 |
作品ごとの販売本数は、シリーズ全体の合計としてしか公表されていません。個別の数字が残っているのは2本だけです。
『グランツーリスモ4』が世界625万本(国内109万本、北米194万本、欧州312万本)。『グランツーリスモ5』は前述のとおり550万本でした。
なお2006年の『ツーリスト・トロフィー』はバイクを扱った作品で、ポリフォニー・デジタルが同じ技術で作っています。
サーキットにつながった線
このシリーズが他のレースゲームと分かれたのは、画面の外まで線を伸ばしたところです。
日産自動車とソニー・コンピュータエンタテインメントは「GTアカデミー」を始めました。ゲームの腕前から、実際のレーシングドライバーを選ぶ催しです。オンライン予選を勝ち抜いた一般のプレイヤーが、プロになる権利を手にします。
ここからルーカス・オルドネスやヤン・マーデンボローが出ています。画面の中の速さがサーキットでの速さにつながることを、実地で示した形になりました。
2018年には『グランツーリスモSPORT』を舞台に、FIA(国際自動車連盟)公認の選手権が始まります。国を代表して走るネイションズカップと、メーカーを背負うマニュファクチャラーシリーズの2部門です。
最初のワールドファイナルは2018年11月17日から19日、モナコで開かれました。実車のレースを主催する団体が、ゲームの大会を公認したことになります。
GT7で一度つまずいた
『グランツーリスモ7』は2022年3月4日に発売されました。その3週間後、アップデート1.07をめぐって強い反発が起きます。
報酬として得られるクレジットの配分が見直され、長時間のメンテナンスも重なりました。車を手に入れるまでの道のりが遠くなったと受け止められた格好です。
山内一典氏は3月25日に公式ブログで経緯を説明しました。4月25日までにログインした全プレイヤーへ、1億クレジットを配るとも告げています。
そのうえで翌月のアップデートで報酬そのものを組み直します。ワールドサーキット後半のイベントは報酬が約2倍になり、1時間の耐久レースが8イベント追加されました。所持クレジットの上限も20億から100億へ引き上げられています。
配って終わりではなく、遊びの側を直したところが要点です。2023年2月22日にはPlayStation VR2 への対応が無償のアップデートで加わりました。こちらは PS5 だけで、PS4 では対応しません。
今遊ぶには
28年ぶんをまとめて味わう入口は『グランツーリスモ7』です。スタンダードエディションのダウンロード版を買えば、PS5 と PS4 のどちらでも遊べます。
PlayStation Storeの表示は8,690円(税込)。2026年9月30日に確かめた時点ではセール中でした。値段は動くので、買う前にストアで見てください。
PS4 のパッケージから PS5 へ切り替えるアップグレードは1,100円(税込)です。VR で走りたい場合は PS5 と PlayStation VR2 が要ります。
けん玉のひとこと
累計1億本という見出しより、年あたりに割ったときの数字のほうに驚きました。2010年からの7年と、2018年からの7年。どちらも年275万本前後で、ほとんどずれていないんですよね。
これは、毎年おおよそ同じ数の人が新しく手に取っているということ。爆発的に跳ねた年がない代わりに、落ち込んだ年もない。28年続いたシリーズとしては、かなり珍しい形だと思います。
理由のひとつは、最初に決めた「実車を借りる」やり方をずらさなかったことにあるはず。車のメーカーと付き合い続けてきたから、GTアカデミーも FIA 公認の選手権も成立しました。ゲームの中だけで完結させていたら、こうはならなかったところ。
GT7 の報酬で揉めたときの動きも、振り返るとらしいものでした。クレジットを配って収めるのではなく、翌月には報酬の設計そのものを直している。信用を金で買わなかったのは大きいです。
レースゲームは苦手、という人ほど一度触ってみてほしいシリーズでもあります。速く走る技術というより、車が曲がる理屈を手で覚える遊びなので。今から入っても、28年ぶん積み上がったものはちゃんと1本の中に残っています。
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