コラムゲーム探訪

初代プレイステーション(PS1)の39,800円は今なら約46,400円。値上がりを物価で検算する

初代プレイステーション(PS1)の39,800円は今なら約46,400円。値上がりを物価で検算する

初代プレイステーションは1994年12月3日、39,800円で発売されました。学生にとっては簡単に出せる額ではありません。けん玉も貯めてから店に向かった記憶があります。

いまPS5の値札を見ると79,980円です。ほぼ倍になっています。ただ、この30年あまりで物の値段そのものも上がりました。「高くなった」と感覚で言う前に、まず数字に直してみます。

1994年の39,800円は、今の46,400円

使うのは総務省統計局の消費者物価指数です。2020年を100とした全国の総合指数で、1994年の年平均は96.0、2025年の年平均は111.9でした。

この比率で直すと、1994年の39,800円は今の約46,400円にあたります。1994年から2025年までの31年で、物価は約17%しか上がっていません。バブル崩壊後の日本が、値段のほとんど動かない国だったことがここに出ています。

つまり初代プレイステーションは、今の感覚で言えば5万円に近い買い物でした。決して安くはありません。

ちなみに発売の半年後、1995年7月21日には29,800円まで下がっています。当時の値下げ合戦については1994年の次世代機戦争を振り返った記事で詳しく書きました。

本体の値段は、PS4まで動いていなかった

歴代の据置機を、発売時の価格で並べます。

機種 発売 発売時の価格
初代PlayStation 1994年12月3日 39,800円
PlayStation 2 2000年3月4日 39,800円
PlayStation 3 2006年11月11日 49,980円(20GBモデル・税込)
PlayStation 4 2014年2月22日 41,979円(税込)
PlayStation 5 2020年11月12日 54,978円(税込)

表記は各社が発表した当時のままで、消費税の扱いは年代によって違います。それでも並べれば流れは分かります。PS1からPS4までの20年、値札は4万円台から5万円手前に収まり続けました。

物価がほとんど動かない国で、値札もまた20年動きませんでした。ただ、その間に性能は別物になっています。同じ値段の中身が毎回入れ替わっていたわけで、かなり無理をした値付けだと思います。

動いたのはPS5からでした。2020年11月12日に54,978円で出たあと、2022年9月15日に60,478円へ。さらに2024年9月2日の価格改定で79,980円になりました。

4年で25,000円の上昇です。ソニー・インタラクティブエンタテインメントはこのとき、世界的な経済情勢の変動を理由に挙げています。日本だけの事情ではない、という説明でした。

高くなった理由は、日本の物価ではない

ここで最初の計算に戻ります。物価に直した初代プレイステーションが約46,400円、現行のPS5が79,980円。約1.7倍です。物価指数の17%では、この差はまったく説明がつきません。

パソコン向けのグラフィックボードは、もっと極端です。NVIDIAの希望小売価格を見ると、GeForce RTX 3090が1,499ドル、RTX 4090が1,599ドルでした。RTX 5090は1,999ドルです。約4年半で33%上がっています。

半導体の値段、メモリの逼迫、円安。どれがどれだけ効いているかは、けん玉には切り分けられません。それでも、日本の物価が上がったせいではないことだけは、指数がはっきり否定しています。

5万円台のPS5が、もう一度用意された

ここに、もう一段の話があります。いま日本で売られている本体には、PS5 デジタル・エディション 日本語専用があります。希望小売価格は55,000円です。

これは2020年にPS5が出たときの54,978円と、ほぼ同じ額です。対応言語を日本語に絞り、ディスクドライブを外して、発売時の値段まで戻してきたことになります。

PlayStation公式サイトのPS5のページでは、79,980円のモデルと並べて売られています。

任天堂のNintendo Switch 2も同じ形です。日本語・国内専用版が59,980円、多言語対応版が69,980円という二段構えになっています。

日本向けに別の値札を用意する売り方は、この世代で当たり前になりました。円安が続く国に、どうやって本体を届けるか。各社が出した答えがこれです。

けん玉のひとこと

39,800円が今の46,400円だと分かったところで、当時それを出したときの重さは変わりません。学生にとっては、やはり4万円でした。

数字を並べて見えてきたのは、ゲーム機が高くなったのは長く続いた傾向ではなく、ここ6年の出来事だということです。PS1からPS4までの20年、ソニーは値札をほとんど動かしませんでした。性能は世代ごとに上がっているのに、です。

その20年が、いったん終わりました。ただ、55,000円の日本語専用版は、5万円台という線をまだ守る気があることの表れだと見ています。物価に直した初代プレイステーションの46,400円と比べても、1.2倍に収まる額です。

答え合わせもできます。次に2026年の年平均指数が出たら、同じ計算をやり直すつもりです。そのとき日本語専用版が55,000円のままなら、5万円台の線は守られたことになります。値上げされていれば、けん玉の見立てが外れたということです。

高いか安いかは人によります。それでも「昔は安かった」は、半分しか当たっていませんでした。1994年のあの値札も、今の感覚で十分に高い買い物だったということです。

※ 1994年の消費者物価指数の年平均値は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。

関連記事

購入ガイド––PlayStationPC / SteamNEW

デス・ストランディングはどれから遊ぶ? 続編『2』に前作は必要か、2027年のアニメとの順番

『デス・ストランディング』は初代と続編『2』のどちらから遊ぶか。『2』は前作の11か月後の話で、公式は独立した続編と紹介しています。Steamの定価は4,980円と8,980円で、どちらも日本語音声付き。2027年配信のアニメとの順番も整理しました。