2026年に自作PCの見積もりを作った人なら、メモリの欄で手が止まったと思います。32GBのキットに5万円台、64GBなら10万円近い値札が付いています。
ゲーミングPCはメモリ高騰の今組むべきか。DDR5が1年で約5倍になった2026年の決め方

値上がりは部品全体に広がっているわけではありません。メモリとSSDに集中しています。実売価格が1年でどう動いたかと、下がる見込みがどこまで出ているかを並べて、今組むか待つかの材料にします。
メモリとSSDは1年で何倍になったか
秋葉原の店頭価格を定点調査しているAKIBA PC Hotlineの数字で、1年前と比べます。
| 部品 | 2025年秋 | 2026年9月 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| DDR5-5600 16GB×2(32GB) | 11,480円 | 55,980円 | 約4.9倍 |
| DDR5-5600 32GB×2(64GB) | 19,896円 | 97,980円 | 約4.9倍 |
| M.2 NVMe SSD 1TB | 7,980円 | 26,980円 | 約3.4倍 |
| M.2 NVMe SSD 2TB | 12,999円 | 39,980円 | 約3.1倍 |
メモリは2025年10月の調査、SSDは2025年9月の調査との比較です。メモリはどちらの年もDDR5-5600で、規格をそろえて並べています。16GB×2と32GB×2が、そろって約4.9倍という上がり方でした。
規格を落とせば、もう少し安い選択もあります。DDR5-4800の16GB×2は49,980円の特価で出ていました。価格.comの売れ筋でも10月5日時点で6万円台でしたから、店頭の特価は安いほうです。
64GBの側も確かめておきます。価格.comでは、CrucialのDDR5-5600 32GB×2が123,799円でした。KingstonのFURYは112,885円です。秋葉原の97,980円は、通販の売れ筋より安い水準です。
構成に入れ直すと、重さがはっきりします。32GBのメモリと1TBのSSDだけで、1年前は19,460円でした。2026年9月の価格で組むと82,960円です。差は63,500円になります。
64GBと2TBにすると、32,895円から137,960円へ。10万5千円の差が、CPUもグラフィックスボードも触らないまま生まれます。
メモリ代がグラフィックスボード1枚を超える
9月24〜25日のお買い得価格情報も見ておきます。MSIのGeForce RTX 5060 Ti 8GB搭載モデルが、ツクモで70,980円でした。ミドルクラスの実売価格です。
メモリ32GBとSSD 1TBの合計82,960円は、これを上回ります。描画性能を決める部品より、容量を埋める部品のほうが高い構成です。ここが2026年の歪みです。
AI向けの需要が一般向けの製品を押しのける話は、GeForce RTX 5090が米国で品薄になったときにも書きました。あのときと違うのは出方です。前は買えないことで表れ、今は値札で表れています。
完成品に逃げても事情は同じでした。マウスコンピューターは2025年12月16日に、一部製品の販売停止と出荷納期の遅延を告知しています。
2026年1月以降の価格改定も合わせて伝えました。理由は、想定を大きく上回る受注による工場のひっ迫とパーツ不足です。
待てば下がるのか
調査会社のトレンドフォースが2026年9月30日に見通しを出しました。10〜12月期のDRAM契約価格は、前期比10〜15%上がるという内容です。上昇のペースは緩むものの、上昇そのものは続くという見方です。
理由は供給側の優先順位にあります。メーカーが先端プロセスの生産能力をサーバー向けの高性能品に回すため、市場全体が供給不足のままだとしています。ゲーム用のPCに積むDRAMは、その順番の下のほうにあります。
2027年については、サーバー向けへ生産能力が移ることでPC向けDRAMの供給が減りうると触れています。つまり「来年まで待てば下がる」という材料は、公表されている範囲にはありません。
待つ理由として使えるのは、値上がりが止まる可能性までです。下がる時期を当てにした買い物の計画は、2026年10月の時点では立てられません。
状況別に、組むか待つかを決める
今のPCで遊べている人は待つ
動いているなら、買い替えを急ぐ場面ではありません。メモリとSSDの差額だけで6万円から10万円が乗ります。性能への不満が具体的でないなら、その金額はソフトに回したほうが遊べる時間が増えます。
ここで待つのは、値下がりを待つという意味ではありません。必要になる時期を後ろへずらす判断です。下がらなかったとしても、使わなかった期間のぶんは得をしています。
これから始める人・壊れた人は今組む
選べる余地がないなら、今の相場で組むことになります。値上がりが緩むという見通しは出ていますが、下がるという見通しは出ていないためです。
効く削り方は、容量を欲張らないことです。メモリとSSDは後から足せる部品で、しかも今がいちばん高くなっている部分です。マザーボードやCPUのように後戻りしにくい部品へ予算を寄せたほうが、同じ金額で長く使えます。
32GBか64GBかは、遊ぶ作品で決める
2026年9月のSteamのハードウェア調査では、搭載メモリ32GBの利用者が42.22%になりました。16GBの37.82%を初めて上回っています。32GBが主流に変わった年です。
必要量は作品によります。『モンスターハンターワイルズ』はSteamの動作環境で最小も推奨も16GBです。『ボーダーランズ4』は最小16GB・推奨32GBとされています。
64GBが要るのは、ゲーム以外の作業を同時に走らせる人です。配信や録画、動画編集を重ねるなら余裕が効きます。ゲームだけが目的なら、10万円を払って64GBにする理由は2026年にはまだ薄いです。
SSDは1TBで始めて、空きスロットを残す
1GBあたりの単価では2TBのほうが安く、ふだんなら大容量を1枚で買うほうが得をします。1TBが26.3円、2TBが19.5円という開きです。
ただし2026年は総額が重いので、1TBで始める形が現実的です。読み込みの重い作品だけM.2に置き、ほかは安いドライブへ移しても遊べます。足りなくなった時期に価格が落ち着いていれば、そこで増やせば済みます。
判断の早見表
| 状況 | 今組む/待つ | 決め手 |
|---|---|---|
| 今のPCで遊べている | 待つ | メモリとSSDの差額だけで6万〜10万円 |
| PCが壊れた・これから始める | 今組む | 下がる時期の見通しは公表されていない |
| 性能への不満がはっきりしている | 今組む | 待っても同じ予算で性能は上がらない |
| ゲーム専用で組む | 今組む(32GB・1TB) | 推奨32GBの作品が増え、64GBはまだ先 |
| 配信や動画編集も重ねる | 今組む(64GB) | 容量がそのまま効く用途で、削りにくい |
価格はいずれも2026年9月下旬から10月5日にかけての調査・掲載時点のものです。実売は在庫状況で動きます。
結局どう決めるか
2026年10月の時点で、「待てば下がる」という材料はありません。トレンドフォースの見通しは上昇の緩和までで、下落には触れていません。だから待つ理由は、値下がりへの期待ではなく「今は要らない」のほうに置くべきです。
動いているPCがあるなら、そのまま使うのがいちばん安い選択です。壊れた、あるいはこれから始めるなら、32GBと1TBで組んで空きスロットを残しておく。これが2026年の無理のない形だと思います。
部品が高いのは、作る側が売り先を選べる状況だからです。AI向けに回したほうが利益が出るなら、そちらが優先されるのは理解できる話です。恨む相手がいるわけではありません。
一方で、高い部品を買わないと遊べないわけでもありません。数百円のインディー作品は珍しくなくなり、セールも定着しました。手持ちのPCで崩せる積みゲーの本数は、昔よりずっと多いはずです。
迷っている人の分かれ目は、今のPCで遊びたい作品が動くかどうかの一点です。動くなら、見積もりは閉じてしまってかまいません。
PS5 Proは今買うべきかでも書きましたが、2026年は待つことが得になる年ではありません。買う年と遊ぶ年を分けて考えたいところです。
※ メモリメーカーの増産が供給に効く時期は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
関連商品広告
以下のリンクから商品を購入されると、当サイトに紹介料が支払われることがあります。価格や在庫は変わることがあるため、各ストアでご確認ください。




