2,400万本という総数の中身

コーエーテクモの「真・三國無双25周年」特設サイトには、無双シリーズ全体で累計2,400万本という数字があります。全世界の累計で、いつ時点のものかは書かれていません。

起点は2000年にPlayStation 2で出た『真・三國無双』です。1997年の『三國無双』は「真」が付かない対戦格闘で、この25年には数えられていません。大軍を1人で薙ぎ倒すアクションは、2000年から始まります。

ナンバリング本編を発売順に並べると、間隔の変化がはっきり出ます。

作品 発売 日本での機種 備考
真・三國無双 2000年 PS2 一騎当千アクションの第1作
真・三國無双2 2001年 PS2 拡張『猛将伝』を足す形が定着
真・三國無双3 2003年 PS2 ここまで4年で3作
真・三國無双4 2005年 PS2 PS2だけで4作目
真・三國無双5 2007年 PS3 据え置きが次世代機へ
真・三國無双6 2011年 PS3 本編の間隔が開き始める
真・三國無双7 2013年 PS3 PS3で出た最後の本編
真・三國無双8 2018年 PS4 / Xbox One / Steam オープンワールドに作り替え
真・三國無双 ORIGINS 2025年 PS5 / Xbox Series X|S / Steam 全世界累計出荷100万本
真・三國無双2 with 猛将伝 Remastered 2026年 PS5 / Switch 2 / Xbox Series X|S / Steam 2001年の作品を作り直し

7作目までは1機種から始まり、あとで他機種へ広げる形でした。8作目以降は複数機種の同時発売です。『ORIGINS』にはのちにNintendo Switch 2版も加わりました。

販売本数で公式の発表があるのは『ORIGINS』の100万本だけです。1作ごとの数字は、コーエーテクモが個別に公表していません。2,400万本は、その積み上げの総額ということになります。

本編は10作にとどまります。25年で10作なら、2年半に1本のペースです。

「量産型」と呼ばれた20年

では、なぜ量産という言葉が付いたのか。理由は、無双という名前がナンバリング以外へ広がったからです。

『戦国無双』『無双OROCHI』という自社シリーズがあり、他社の作品を預かった派生も続きました。『ガンダム無双』『北斗無双』『ワンピース 海賊無双』『ゼルダ無双』『ファイアーエムブレム無双』と並びます。題材の幅は相当です。

これらを合わせると、無双の名前を見かけない年のほうが少ない、という印象になります。題材が替わって中身は同じ、という受け取り方も生まれます。「量産型」は、その印象を指した言葉でした。

ただ、預かった側の成績は悪くありません。『ゼルダ無双 封印戦記』は全世界累計出荷100万本を突破し、2026年1月の決算資料に載りました。『戦国無双』シリーズは国内累計770万本以上(メディアクリエイト調べ)と公式サイトが記しています。

原作の持ち主が、自分のキャラクターを無双の形で出してよいと判断した回数が、25年ぶん積み上がってきたことになります。預けた側に成績が返っていなければ、ここまで続いていません。

65点から81点へ、節目に作り直しを選んだ

とはいえ、評価が落ちた時期は確かにありました。2018年の『真・三國無双8』です。シリーズを広大なオープンワールドへ作り替えた意欲作でした。

Metacriticの総合スコアは65点(49件、10月1日時点)。ユーザースコアは4.3まで下がりました。

ここから7年空けて出たのが、2025年1月の『ORIGINS』です。OpenCriticは81点(172件)でした。

MetacriticはPS5版79点、PC版とNintendo Switch 2版が84点。ユーザースコアは8.1で、シリーズでいちばん高い評価になりました。

数字も付いてきました。全世界累計出荷100万本の突破が2025年2月14日に発表され、体験版は200万ダウンロードを超えています。無双は売れ続けてきたシリーズですが、評価と本数が同時に上がった作品は久しぶりでした。

そして25周年の節目に選ばれたのが、新作ではなく作り直しです。2026年10月1日、『真・三國無双2』が『真・三國無双2 with 猛将伝 Remastered』として出ました。

Steam版は7,480円(税込)です。『真・三國無双2 with 猛将伝 Remastered』の公式サイトでは、全機種で体験版も配信されています。

節目に過去作を作り直す判断は、45周年に町づくり内政を取り戻した『信長の野望・飛翔』と同じ方向を向いています。新機軸より、得意だった遊びを磨く選択です。

けん玉のひとこと

25年で本編10作。この数字を先に見ていたら、量産型という言葉は出てこなかったはずです。多かったのは派生のほうで、しかもその多くは他社がキャラクターを預けた作品なんですよね。

量産という言い方には、安く速く作っているという含みがあります。でも、同じ手ざわりを25年保つのは、思いつきで新しいものを足すより難しいところ。1,000人の敵を気持ちよく薙ぎ倒せる感触は、作ろうと思ってすぐ作れるものではありません。

『8』の65点は、その感触を手放して広い地図に賭けた結果だったと思います。挑戦そのものを責める気にはなれません。ただ、無双を遊ぶ理由は地図の広さではなかった、という答えが出てしまいました。

その反省を7年かけて形にしたのが『ORIGINS』で、81点と100万本が返ってきました。遠回りではあったけれど、戻る場所が分かっていたシリーズは強いんですよね。

他社のキャラクターで100万本を出せるなら、それは量産ではなく受注だと思うんですよね。原作を預かる側に回り続けて、そのたびに成績を返してきた25年。並べ直すと、言われ方のほうが雑だったと感じます。

25周年に出てきたのが2001年の作り直しというのも、腹の据わった選択だと思います。派生で広げるのではなく、原点を今の画面で見せています。四半世紀続いた遊びを棚卸しする年、という位置づけなんでしょう。

量産型と言われてきたシリーズが、言われ続けながら2,400万本まで積んできました。この積み方を、笑って済ませるのはもったいないところ。

『2』の作り直しから入るのも、『ORIGINS』から入るのも、どちらでも25年ぶんの手ざわりは残っています。気になった方の1本を、まずは体験版から触ってみてください。

※ 無双シリーズ全体の作品数と年ごとの発売本数は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。