止まったのは『Armed Fantasia』だけではない
『Armed Fantasia: To the End of the Wilderness』の開発が打ち切られました。イタリアの Digital Bros が9月24日に公表した2026年6月期の決算資料で明らかになりました。
打ち切りは3本まとめてでした。ほかに『Directorate: Novitiate』と『Battle Island』の続編が挙がっています。後者は基本無料タイトルです。
資料は「ゲームプレイの見直しを何度も試みたのち」決めたとしています。開発の進み具合、見込める市場、追加投資を精査した結果です。
3本分の償却は1760万ユーロ(約32億円)。ほかのタイトルの減損を加えた評価損は計1870万ユーロ(約34億円)です。ただし『Armed Fantasia』1本の内訳は示されていません。
支援から4年、パブリッシャーの名も出ないまま
本作は2022年、Kickstarter での『Penny Blood』との共同クラウドファンディングで姿を見せました。ワイルドアームズの生みの親・金子彰史さんが中心に立ち、開発は WILD BUNCH Productions です。
集まった支援は両作あわせて3億7932万8385円。開発機種は PS5、Xbox Series X/S、PC でした。パブリッシャーの名前は公表されず、505 Games が抱えていたとみられます。
支援者への返金や特典の扱いについて、資料は何も触れていません。開発元からの説明も、9月26日の時点では出ていません。『Penny Blood』の中止も、まだ発表されていません。
シリーズのこれまで
| 作品 | 発売 | 機種 | 販売本数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ワイルドアームズ | 1996年12月 | PS | 非公表 | シリーズ第1作 |
| ワイルドアームズ セカンドイグニッション | 1999年9月 | PS | 非公表 | |
| ワイルドアームズ アドヴァンスドサード | 2002年3月 | PS2 | 非公表 | |
| ワイルドアームズ アルターコード:F | 2003年11月 | PS2 | 非公表 | 第1作のリメイク |
| ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター | 2005年3月 | PS2 | 非公表 | |
| ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード | 2006年12月 | PS2 | 非公表 | 本編の新作はここまで |
| ワイルドアームズ クロスファイア | 2007年8月 | PSP | 非公表 | 外伝のシミュレーションRPG |
| ワイルドアームズ ミリオンメモリーズ | 2018年9月 | iOS / Android | 非公表 | 派生作。2020年2月サービス終了 |
| Armed Fantasia | 未発売 | PS5 / Xbox Series X/S / PC | ― | 精神的続編。2026年9月に開発中止 |
販売本数はソニーもメディア・ビジョンも公表していません。本編の新作は2006年の『フィフスヴァンガード』で止まり、以後は外伝と派生作だけでした。
けん玉のひとこと
金額は合計でしか出てきません。企業の資料としては当たり前ですが、長く待った続報がこれかと思うと、ずいぶんあっさりした幕引きなところ。
集まった3億円強で4年分の開発費を賄えるほど、いまのRPG作りは安くないんですよね。外の資金を頼れば、その判断ひとつで止まります。支援した人が知りたいのは返金や特典の行き先のはず。続報が出るなら Kickstarter の更新でしょう。
開発が止まっても、まもなく30年を迎えるシリーズの重みが消えたわけではありません。4年分の設計と、それを待った人たちは残っています。荒野の果てをもう一度目指す日が来ることを、気長に待っていたいですね。




