1996年11月23日に発売された初代たまごっちが、今年の11月23日で30周年を迎えます。バンダイの発表では、シリーズの累計出荷は2025年7月末に1億個を超えました。しかも、そのうち51%が海外です。
たまごっち30周年、累計1億個が作った「毎日世話する」という遊び

ゲーム機でもない小さな卵に、30年ぶんの数字が積み上がったことになります。当時これを鞄に下げていた中高生は、いま40代に入ったころでしょう。
手のひらの卵に入っていたもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 1996年11月23日 |
| 価格 | 1,980円 |
| 発売元 | バンダイ |
| 企画 | 横井昭裕(ウィズ)、真板亜紀(バンダイ) |
| 内容 | 卵型の本体でデジタルペットを育てる |
| 発売から2年半の販売数 | 4,000万個 |
| シリーズ累計出荷 | 1億個(2025年7月末時点、うち海外51%) |
| 30周年 | 2026年11月23日 |
初代の遊びは、ごはんとおやつをあげ、遊び相手になり、うんちを片付けることでした。甘やかしすぎるとわがままに育ち、世話をサボると死んでしまいます。
死ねば、画面にお墓が出ます。同じ相手は戻ってきません。手のひらに載る玩具が、そこまでやりました。遊びの中身はこれだけで、点数もクリアもありません。
教室で禁止された1997年
火がついたのは女子中高生からでした。そこからまたたく間に世界的なヒットになり、授業中に世話をする生徒が問題になって、禁止令を出す学校も続きました。
禁止令が出るほどというのは、裏を返せば教室で毎日電源が入っていたということです。発売から2年半で4,000万個という数は、その結果でもあります。
当時の携帯ゲーム機は、遊ぶときに取り出して、終われば鞄に戻すものでした。たまごっちは鞄の中でも動き続け、放っておけば手遅れになります。毎日世話をするという習慣を、ゲーム機の外で作ってしまったわけです。
引き際も急でした。公式の年表を見ると、国内の新モデルは1998年でいったん止まります。次の新型は2004年の「かえってきた!たまごっちプラス」で、6年空いています。この復活作は赤外線通信を載せ、1年で約500万個を売る再ヒットになりました。
30年で足されたのは、つながる先
| 年 | モデル |
|---|---|
| 1996 | たまごっち |
| 1997 | 新種発見!!たまごっち/Tamagotchi/てんしっちのたまごっち/オスっち・メスっち |
| 1998 | 森で発見!!たまごっち/海で発見!!たまごっち/Angel/Ocean |
| 2004 | かえってきた!たまごっちプラス/Tamagotchi Connection |
| 2005〜2007 | Tamagotchi Connection V2〜V5/Music Star |
| 2008 | たまごっちプラスカラー |
| 2009 | たまごっちiD |
| 2010 | Tamagotchi nano |
| 2011 | たまごっちiD L |
| 2012 | たまごっちP’s |
| 2014 | たまごっち4U |
| 2015 | たまごっち4U+ |
| 2016 | たまごっちm!x |
| 2017 | Tamagotchi Mini |
| 2018 | たまごっちみーつ/Original Tamagotchi |
| 2019 | Tamagotchi On |
| 2021 | Tamagotchi Pix/Tamagotchi Smart |
| 2023 | Tamagotchi Uni |
| 2025 | Tamagotchi Paradise |
並べてみると、足されていったのは「つながる先」でした。2004年のプラスで赤外線通信が入り、他の本体と行き来できるようになります。2008年のプラスカラーでカラー液晶になり、2021年のPixとSmartでタッチ操作が加わりました。
2023年のUniはシリーズ初のWi-Fi対応で、本体だけでネットにつながります。2025年のParadiseはダイヤルを回して表示を拡大縮小する仕組みで、育てられる種類は5万を超えます。
一方で、真ん中は動いていません。画面の相手が腹を空かせ、こちらが世話をします。30年かけて周辺は全部入れ替わったのに、押すボタンの意味は初代と同じです。
うまくならない遊びだから、30年続いた
バンダイは発売29年の2025年11月23日を起点に「30周年イヤー」を始めました。発売から30年の当日が、2026年11月23日です。記念の展覧会はいまも各地を回っています。
玩具の周年で全国を巡る展示が組めるのは、育てた相手を覚えている人がそれだけいるからです。欧米向けに出ていたOriginal Tamagotchiだけでも、2025年7月末までに1,152万個が出ています。
累計出荷の51%が海外という数字も、同じところを指しています。ごはんのマークを見てボタンを押す、という手順には説明がほとんど要りません。言葉を置き換えなくても、そのまま通じる遊びでした。
そしてこの遊びは、うまくなる種類のものではありません。反射も知識も要らず、忘れずにふたを開けることしか求められません。だから当時の子どもが親になっても、同じ手順でもう一度できます。
いま買えるもの、行ける場所
現行の最新モデルは、2025年7月12日に出たTamagotchi Paradiseです。価格は6,380円(税込)で、ダイヤルを回してお世話します。対応する機能は製品ページにまとまっています。
Wi-Fi対応のTamagotchi Uniは、2023年11月23日発売で8,250円(税込)です。Paradiseより前のモデルですが、いまも売られています。
30周年の記念デザインも出ました。海外では2018年からOriginal Tamagotchiが売られています。そこに「30th Anniversary Tama Space」が加わりました。2026年9月19日発売で、3,080円(税込)です。
家庭用ゲーム機で遊ぶなら、Switchの「たまごっちのプチプチおみせっち おまちど〜さま!」があります。2025年6月26日発売で5,940円(税込)、Switch 2 Editionは6,930円(税込)です。
Switch 2 側にはマウス操作に対応したお店が加わります。収録されているお店はバンダイナムコエンターテインメントの公式サイトで確認できます。
「30周年記念 大たまごっち展」は2026年1月に六本木ミュージアムで開幕し、名古屋、水戸、札幌、大阪と回ってきました。9月19日から10月26日までは新潟の万代シテイBP2、年末からは福岡三越に入ります。
会場と日程は大たまごっち展の公式サイトにまとまっています。巡回先は今後も追加される予定です。
パソコン側で育成の遊びがどう進んだかは、プリンセスメーカー35周年の記事で整理しました。こちらも、いま何で遊べるかまで追っています。
けん玉のひとこと
1億個という数字より感心するのは、30年間ずっと「毎日起動させ続けた」ところなんですよね。ゲーム機は遊びたいときに電源を入れるもの。たまごっちは、こちらの都合を待ってくれません。
世話をサボれば死ぬという仕様は、今なら企画の途中で止まりそうな気もします。取り返しのつかない結末を、手のひらの玩具が用意していたわけです。あの容赦のなさが、毎日ふたを開ける理由そのものだったはず。
今のParadiseは育てられる種類が5万を超え、Uniは1台でネットの向こうとつながります。ここまで足せば、初代の張りつめた感じはさすがに薄まるところ。
とはいえ、世話を軽くしすぎれば、ただ眺めるだけの置き物になります。膨らませつつ、面倒は残す。その塩梅を30年更新してきたのが、このシリーズのいちばん強いところだと思います。
押し入れに初代が眠っている人は、11月23日あたりにボタン電池を買ってきて、入れてみると面白いかもしれません。30年前の自分が世話をしていた相手に、もう一度ごはんをあげられる日です。
※ 初代たまごっちの当時の価格は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
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