初代『クラッシュ・バンディクー』は、1996年9月9日に北米で発売されました。今年で30年です。アクティビジョンの公式アカウントは、9月に何か動きがあると匂わせるアートを投稿しました。中身はまだ明かされていません。
『クラッシュ・バンディクー』30周年。現行機で買えるのは3本、1996年の初代は入っていない
日本での発売は同じ1996年の12月でした。周年の話が海外から先に流れてきて、国内が3か月遅れて追いつく。この作品は、記念日からしてずれています。
作品概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 1996年9月9日(北米)/1996年12月(日本) |
| 機種 | PlayStation |
| 開発 | ノーティードッグ |
| 発売 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
| ジャンル | 3Dアクション |
3Dアクションが手探りだった時代のマスコット
初代は、奥に向かって走る道をひたすら進む3Dアクションです。箱を割り、穴を飛び越え、追いかけてくる岩から逃げる。今の目で見れば単純です。ただ1996年当時、家庭用ゲーム機で3D空間を気持ちよく走らせること自体に、まだ答えがありませんでした。
売れ方も相当なものでした。世界累計は600万本を超えたとされ、日本でも50万本を超えています。1997年のプレイステーションアワードでは、海外開発のゲームとして初めてゴールドプライズを受賞しました。当時のソニーにとって、クラッシュは事実上のマスコットです。任天堂のマリオ、セガのソニックに対抗する「プレイステーションの顔」として語られてきました。
開発したノーティードッグは、その後『アンチャーテッド』や『The Last of Us』を作るスタジオです。同社が手がけたのは、1996年の初代から1999年のレースゲーム『Crash Team Racing』までの4作でした。
「ソニーの顔」だったIPの、現在の持ち主
ここから先が、このシリーズのややこしいところです。
クラッシュのIPは、2008年以降アクティビジョンが保有しています。そのアクティビジョンは、現在マイクロソフトの傘下にあります。プレイステーションのマスコットとして生まれたキャラクターの権利を、いまXboxの会社が持っている。だから30周年の告知も、ソニーではなくアクティビジョンの側から出てきます。
権利者が替わったことは、遊べる場所には有利に働きました。プレイステーション専用だったシリーズが、2010年代後半からSwitch・Xbox・PCにも出るようになりました。ただし、その代わりに出てきた作品は、当時のソフトそのものではありません。作り直したほうです。
主要作を発売順に並べる
| 作品 | 発売年 | 機種 | 開発 |
|---|---|---|---|
| クラッシュ・バンディクー | 1996 | PS | ノーティードッグ |
| クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲! | 1997 | PS | ノーティードッグ |
| クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周 | 1998 | PS | ノーティードッグ |
| Crash Team Racing | 1999 | PS | ノーティードッグ |
| クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり! | 2017 | PS4/後にSwitch・Xbox One・PC | ヴィカリアス・ヴィジョンズ |
| クラッシュ・バンディクー レーシング ブッとびニトロ! | 2019 | PS4・Switch・Xbox One | ビーノックス |
| クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース | 2020 | PS4・Xbox One/2021年に他機種 | トイズ・フォー・ボブ |
上の表には主要作だけを並べました。2000年代にもシリーズは続きましたが、現行機に残っているのは新しい3本だけです。『ブッとび3段もり!』は初代から3作目までを1本にした合本。『ブッとびニトロ!』は1999年のレースゲームの作り直し。『4 とんでもマルチバース』は22年ぶりのナンバリング続編です。
日本ではこのうち『ブッとび3段もり!』と『ブッとびニトロ!』をセガが発売しました。Switch版『ブッとび3段もり! ボーナスエディション』の発売は2018年10月18日です。『ブッとびニトロ!』は2019年8月1日で、どちらも発売時の価格は5,390円(税込)でした。『4 とんでもマルチバース』は2020年にPS4とXbox One向けに出ました。Switch・PS5・Xbox Series X|S版は2021年3月12日発売で、価格は同じ5,390円(税込)です。日本語の吹き替えと字幕が入っています。
作り直したほうがよく売れています。『ブッとび3段もり!』は2024年6月までに2,000万本に達したとされます。『ブッとびニトロ!』も2025年6月までに1,000万本です。
今遊ぶ方法と、どれから触るか
これから始めるなら『ブッとび3段もり!』です。初代から3作目までが1本に入っていて、シリーズの中で最も入手しやすいからです。Switch・PS4・Xbox・PCで買えます。Xbox Game Passにも2024年8月に加わりました。今も対象なら、加入者は追加の出費なしで確かめられます。
ただし注意点があります。1996年のPlayStation版そのものは、現行機では単体で配信されていません。遊べるのは2017年に作り直したほうです。グラフィックは全面的に描き直され、操作感も現代のパッドに合わせて調整されています。「30年前のあれをそのまま」を期待すると、少し違うものが出てきます。当時の感触にこだわるなら、PlayStationの実機とソフトを中古で探すしかありません。
3作をひととおり終えたあとの分岐は2つです。アクションを続けたいなら『4 とんでもマルチバース』へ。こちらもXbox Game Passに2025年6月に加わりました。難度は3作より高めです。初代で何度も落ちた記憶がある人ほど、手応えを感じるはずです。誰かと遊ぶなら『ブッとびニトロ!』です。レースゲームなので、シリーズを知らない相手とも同じ画面で遊べます。
順番は気にしなくて構いません。物語は各作でほぼ完結していて、『4』も前作を遊んでいることを前提にしていません。迷ったら合本を買えば、しばらく困らないはずです。
けん玉のひとこと
30周年に合わせて何かが出るのだとしたら、たぶんまたリメイクだと思います。この10年、クラッシュの新作はずっとそうでした。
それでいいのか、と言いたくなる気持ちはあります。ただ、実際に売れているのは新しいほうです。1996年に600万本だったものが、2017年版は当時の3倍以上まで来ました。当時を知らない人のほうが、もう多いのでしょう。
そう考えると、初代そのものが現行機のどこにも売っていないのは、案外正しい判断なのかもしれません。30年前の3Dアクションは、思い出補正を外して触るとかなり手強いものです。作り直したほうを入り口にして、気に入ったら実機を探しにいけばいい。当時のマスコットが、いまはよそのプラットフォーマーの持ち物としてSwitchの棚に並んでいる。その皮肉ごと引き受けたうえで、いま触るならこの3本です。
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