エムツーは2026年10月10日、東京・上野で「エムツーショットトリガーズ」10周年イベントを開きました。シューティングを中心に、昔のアーケード作品を家庭用へ移してきたエムツーのシリーズです。
データイースト作品の権利はいま誰の手に。エムツーがSwitchへ移植するエドワード・ランディとラグタイムショー

そこで披露されたのは、データイーストの『エドワード・ランディ』と『ザ・グレイト・ラグタイムショー』の移植です。
Switchの実機で動く様子が公開され、ロゴには『THE EDWARD RAGTIMESHOW DATA EAST COLLECTION』とありました。発売日と価格は、まだ発表されていません。
データイーストは2003年に破産した会社です。それでも作品が新しい機種へ運ばれていくのは、権利を引き継いだ会社があるからです。
ムチと複葉機、遊びの違う2本
| 作品 | 稼働 | 機種 | 開発・発売 | ジャンル |
|---|---|---|---|---|
| エドワード・ランディ | 1991年 | アーケード | データイースト | アクション(1〜2人) |
| ザ・グレイト・ラグタイムショー | 1992年 | アーケード | データイースト | 横スクロールシューティング(1〜2人) |
稼働年は日本でのものです。『エドワード・ランディ』は海外の資料に1990年とするものもあります。海外での名前は『The Cliffhanger: Edward Randy』と『Boogie Wings』です。
エドワード・ランディはムチ1本で進むアクション
主人公の武器はムチです。敵を打つだけでなく、鉄骨や飛行機にムチを引っかけてぶら下がり、振り子のように揺れて敵を巻き込めます。スライディングやダッシュ、敵の踏みつけも使えます。
舞台は1930年代のヨーロッパを思わせる世界で、全7面の構成です。残機はなく、スコアが体力を兼ねます。敵を倒すと体力が増え、攻撃を受けると減る仕組みで、攻めるほど粘れるようになっています。
ラグタイムショーは複葉機でつかんで投げるシューティング
自機は複葉機で、機体の後ろに付いたフックで敵や物を引っかけ、振り回して投げつけます。弾を撃つだけではなく、つかんで投げる遊びが軸になっています。
撃ち落とされても、そこで終わりではありません。機体を失うと徒歩になり、動物や車、ロボットなどに乗り込んで戦い続けられます。舞台は第一次世界大戦のころを思わせる時代で、BGMはラグタイムでそろえています。
『ラグタイムショー』の移植には、ゲームの内部の情報を画面の左右に出す「M2ガジェット」が付くと報じられています。ライフやパワーアップの状況、乗っている乗り物、ボスの情報などが並びます。
家庭用に来なかったエドワード・ランディ
『エドワード・ランディ』は、映画のような追跡劇を2Dで見せようとした作品です。海外のレトロゲームサイト「Hardcore Gaming 101」によると、着想の元は映画『インディ・ジョーンズ』です。
同サイトによると、ステージは画面が自動で進む作りです。ヨーロッパの街をボートで追い、走る列車に飛び移ります。砂漠では戦車や巨大なブルドーザーとカーチェイスを演じ、最後は嵐の空で複葉機から複葉機へ跳び移ります。
見せ場を支えたのが、2Dのまま奥行きを出す演出です。敵が手前に飛び出し、拡大縮小で迫り、飛行機が傾いて回ります。同サイトは、当時の家庭用機ではこの演出に追いつけず、それが作品が埋もれた一因だとみています。セガサターンへの移植も計画されましたが、実現しませんでした。
のちのトレジャー作品『ガーディアンヒーローズ』には、エドワードとランディという名のキャラクターが登場します。同社のキャラクターデザイナーが、この作品への敬意を込めて付けた名前とされています。
データイーストの権利はどこへ行ったか
データイーストが破産したあと、ゲームの権利の大半はジー・モード(G-MODE)が取得しました。
ジー・モードの担当者は2025年のファミ通の取材で、引き継いだのは100タイトル以上だと話しています。ほかに3、4社が権利を取ったとも述べています。
作品によって、権利の行き先は分かれています。『カルノフ』『チェルノブ』『ウィンジャマーズ』は、パオン・ディーピーが持っています。『メタルマックス』は角川ゲームス、『探偵 神宮寺三郎』はアークシステムワークスです。
ジー・モードは自社で出すだけでなく、他社への許諾も進めています。ポーランドのForever Entertainmentは、許諾を受けて『マジカルドロップVI』を2023年に出しました。『ナイトスラッシャーズ:リメイク』も同社の作品です。
『エドワード・ランディ』の権利は、ジー・モードにあるとされています。『ザ・グレイト・ラグタイムショー』の権利者は、公の資料からは分かりませんでした。今回の移植で権利表記が出れば、そこではっきりするはずです。
エムツーは2020年にも、データイースト作品の復刻計画を明かしていました。ただ、今回の2本がその計画に含まれていたかは分かっていません。
いま遊ぶ方法
Switchへの移植は、発売日も価格もまだ決まっていません。それまでに2本を遊べるのは、タイトーの小型筐体「イーグレットツー ミニ」の追加ソフトです。
2025年12月18日に出た『アーケードコレクション PART1』に、2本とも入っています。価格は税込9,878円で、本体は別に必要です。新色のバイオレットカラーの本体は税込21,978円で、そろえると3万円を超えます。
すでに本体を持っているなら、追加ソフトで今すぐ遊べます。これから手に入れるなら、Switchへの移植の価格が出てから比べても遅くありません。
けん玉のひとこと
データイーストという会社はなくなっても、作品の権利は残ります。ただ、その行き先はジー・モードだけでなく何社にも分かれていて、同じ会社の作品でも戻ってくる道筋が違うんですよね。
今回の2本は、ムチで戦うアクションと、つかんで投げるシューティング。ムチでぶら下がるアクションと、敵をつかんで投げるシューティングが、そろって動く姿を見られたのはうれしいところです。当時の家庭用では追いつけなかったという演出が、Switchでどう映るのかも楽しみなところ。
ラグタイムショーは乗り物が次々に変わるので、M2ガジェットで状況が画面の横に出れば追いやすくなるはず。イーグレットツー ミニを持っていない人は、発売日と価格が出てから決めても間に合います。発表を一緒に楽しみに待ちましょう。
※ データイーストの権利の移り先は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
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