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モンスターハンターの数字が跳ねたのはワールドから。カプコン公式IRで20年を追う

モンスターハンターの数字が跳ねたのはワールドから。カプコン公式IRで20年を追う

カプコンは、全世界で100万本以上売れた自社ソフトを「ミリオンセールスタイトル」として公式サイトに並べています。投資家向けの開示資料に載っている数字で、宣伝のために盛ったものではありません。

この一覧からモンスターハンターシリーズだけを抜き出して発売順に見ていくと、あるところで数字の桁が変わります。どこで変わったのかを、公式の数字だけで追ってみます。以下の本数はすべて、2026年6月30日時点としてカプコンが公開している値です。

初代は、この一覧に載っていない

家庭用の第1作『モンスターハンター』は、2004年3月11日に PlayStation 2 で発売されました。ところが、ミリオンセールスタイトルの一覧にこの作品はありません。掲載の基準が全世界100万本以上なので、初代はそこに届かなかったということになります。実際に何万本だったのかは公表されていないため、分かるのは「100万本未満」までです。

シリーズの原点は、公式の記録の上では数字を持たない作品として残っています。

携帯機で積み上げた10年

一覧に最初に現れるのは『モンスターハンターポータブル 2nd』(2007年・PSP)の240万本です。翌年の『ポータブル 2nd G』が380万本、2010年の『ポータブル 3rd』が490万本と伸びていきます。その間に出た据置機の『3(トライ)』(2009年・Wii)は190万本で、携帯機のほうが明らかに数字が大きい。

3DSに移った直後の『3(トライ)G』(2011年)は260万本で、いったん落ちています。そこから『4』が410万本、『4G』が420万本、『クロス』が430万本。そして『ダブルクロス』が540万本です(海外版 Generations Ultimate を含む値)。これが携帯機時代の最高値になります。

400万本台が並ぶ、安定した人気シリーズ。2017年の時点でモンスターハンターがどういう位置にいたかは、この並びがよく表しています。

ワールドで桁がひとつ上がった

『モンスターハンター:ワールド』は2018年1月26日発売。一覧の数字は2240万本です。直前の『ダブルクロス』540万本の4倍を超えています。伸びたというより、桁がひとつ上がったと言うほうが近い数字です。

拡張コンテンツの『アイスボーン』も単独で1670万本を数えます。両方を含む集計(マスターエディションなどを合わせた形)では3040万本と注記されています。定義が違うので、この2つを足し合わせて読むことはできません。

以降は本編の『ライズ』が1930万本、2025年2月発売の『ワイルズ』が1180万本。拡張の『サンブレイク』も1190万本を数えます。本編だけで1000万本を超えるのが普通の状態になりました。カプコンのシリーズ別販売本数では、シリーズ累計1億3100万本と公表されています。

けん玉の見方

一覧を眺めていて数字の次に目が行くのは、対応機種の欄です。ダブルクロスまでは3DSとSwitchが中心で、ワールド以降はPS4・Xbox・PCが並びます。跳ね上がったタイミングと、出す場所が変わったタイミングは重なっています。一覧から読み取れるのは、そこまでです。

海外市場の開拓、据置機とPCの同時展開、映像面の刷新。理由としてはどれももっともらしく聞こえますが、カプコンの資料に載っているのは数字と発売機種だけです。要因の分析は、外から見た推測にとどめておきます。

そのうえでけん玉が思うのは、ワールドの2240万本は「当たった1本」の数字ではないだろう、ということです。初代が一覧に載らないところから始まって、携帯機で400万本台を10年続けました。その積み重ねがあったから、遊ぶ人を世界規模で受け止められる状態になっていたはずです。ワールドは新しい客を連れてきた作品ですが、迎える側の準備は14年かけて作られていたと思います。

もうひとつ気になるのは、直近の『ワイルズ』が1180万本という数字です。発売から1年4か月ほどでの値で、ワールドの2240万本には届いていません。これを失速と読むのは早いと思います。ワールドは8年かけてこの数字になったもので、比べるなら同じ期間で見る必要があります。ただし一覧に載るのは最新時点の値だけなので、ワールドの1年4か月時点をあとから引っ張ってくることはできません。数字を並べるときは、いつ時点の値かをそろえないと簡単に読み違えます。

けん玉が最初に触ったのは『ポータブル 2nd G』でした。380万本の作品です。そこから作品ごとに、狩りの手触りも、仲間と集まる仕組みも、少しずつ変わっていきました。毎回どこかが良くなっていて、次も買う理由がある。その繰り返しに応えてきた人の数が、いまの1億3100万本なのだと思います。

先の話もあります。超大型拡張コンテンツ『モンスターハンターワイルズ:アセンダンス』が2027年に発売されます。2026年6月に発表されたもので、マスターランクや新フィールドが加わるとされています。公開された映像は、面白そうな内容でした。ワールドにも『アイスボーン』という1670万本の拡張がありました。ワイルズにも、拡張と一緒にもう一度あの旋風が来てほしいと思います。

公式の数字で言えるのは、ここまで

初代は100万本に届かず、携帯機で400万本台まで育ち、ワールドで2000万本台に乗りました。以後は1000万本超が当たり前です。シリーズ累計は1億3100万本になりました。

この一覧には鬼武者もバイオハザードも並んでいます。約20年ぶりの完全新作として出た『鬼武者 Way of the Sword』がどんな数字の並びの先にあるのかも、同じ手順でたどれます。投資家向けに誰でも見られる場所へ置かれている資料なので、気になるシリーズがあれば発売順に並べてみてください。

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