コラムゲーム探訪

セガがドリームキャストの製造をやめて25年。ソニーが2028年にディスクをやめる判断と並べて読む

セガがドリームキャストの製造をやめて25年。ソニーが2028年にディスクをやめる判断と並べて読む

2001年3月31日、セガはドリームキャストの製造を終えました。今年で25年になります。

いま売り場でざわついているのは本体ではなく、ディスクという形式のほうです。ソニーは今年7月、新作のディスク版をやめると告知しました。ハードを畳む話とディスクをやめる話は規模が違います。ただ、当たり前だった形を作る側の都合で終わらせるという一点は同じです。片方はすでに25年分の答えが出ています。

セガが「本体を作る会社」をやめた日

ドリームキャストの発売は1998年11月27日、29,800円でした。そこから本体価格は下がり続け、2001年3月1日には19,900円から9,900円になっています。値札の付け替えで台数を稼ぐやり方は、1994年に始まった次世代機戦争から地続きでした。

決着は2001年1月31日です。この日セガは構造改革プランの説明会を開き、家庭用ハード事業から退くと発表しました。本体の製造が止まったのが3月31日。1983年のSG-1000から18年続いた「セガのハード」が、ここで終わります。

会見の時点で、セガはすでに次の手を出していました。プレイステーション2向けに5タイトル、ゲームボーイアドバンス向けに3タイトルを供給すると表明しています。昨日まで競合だった相手の本体に、自社のソフトを載せるという意思表示でした。

降りた会社のソフトは、どこにでも並んだ

その言葉は早く形になりました。2001年12月20日、『ソニックアドベンチャー2 バトル』がニンテンドー ゲームキューブで発売されます。セガの看板が任天堂の本体で動くという、それまでなら考えにくい光景でした。

ドリームキャストで2000年12月21日に始まった『ファンタシースターオンライン』の移動は、もっと速く進みました。2001年12月20日にPC、2002年9月12日にゲームキューブ、2003年1月16日にXbox。自社ハードのために作ったオンラインRPGが、2年ほどで主要機種に行き渡っています。

会社そのものも形を変えます。2003年12月にサミーがセガを買収し、2004年10月1日にセガサミーホールディングスが発足しました。ハードを手放した会社が消えるのではなく、置き場所を変えて続いたわけです。いまセガの柱である『ペルソナ』が10年かけて本数を伸ばしてきた道のりも、後から他機種へ広げる形をとっています。

25年後、手放すのは本体ではなくディスクになった

そして現在です。ソニーの公式告知は2026年7月1日に出ました。2028年1月以降に発売する新作はダウンロード版のみになり、それより前に発売された作品は対象外です。

これに異論を唱えたのが、2019年9月にSIEワールドワイド・スタジオ会長を退いたショーン・レイデン氏でした。2026年9月4日、ブライアン・クレセンテ氏のニュースレター「the Game」のインタビューで、こう述べています。

気がめいる話ではあるが、解決はできる。

解決策として挙げたのは、ソニーが第三者にディスクの製造をライセンス供与することです。マイクロソフトは Authorized Replicator という仕組みで外部の工場に任せています。自社で工場を抱えなくてもディスクは作れる、という指摘です。つまり、工場を持つかどうかは理由にならないということです。ソニーには自社で作り続ける道も、外部に任せる道も残っています。選ばないという判断があるだけです。

中身は別の場所で続く。ただし手元には残らない

セガの25年が示しているのは、作る側が形式を畳んでも、中身は別の場所で続くということです。ドリームキャストは終わりましたが、ソニックもファンタシースターも龍が如くも、いまは他社の本体で買えます。むしろ1機種に縛られなくなったぶん、届く範囲は広がりました。ディスクが新作から消えても、ゲームそのものが消えるわけではありません。

ただ、セガのときと決定的に違う点が一つあります。ドリームキャストの製造が止まったあとも、買ったソフトはディスクとして手元に残りました。本体さえ動けば、25年後の今日でも起動できます。配信だけになった作品には、この逃げ道がありません。ストアが閉じれば、遊ぶ手立ては買った人の側に残りません。パッケージ版に反対の声が出るのは懐古趣味ではなく、この一点への不安だと、けん玉は見ています。

いま慌てて動く必要はありません。対象は2028年1月以降に出る新作で、すでに発売された作品のディスクが消えるという話ではないからです。見るべき点は一つで、ソニーが第三者にディスク製造を許すと言うかどうか。それが出れば道は残り、出ないまま2028年1月を迎えれば、新作は配信だけになります。

レイデン氏の言う「解決はできる」は、けん玉も正しいと思います。ディスクを作る技術も、外部に任せる前例もすでにあります。足りないのは、そこに人手と金を割く判断だけです。セガは2001年に「割かない」と決めて、それでも会社を残しました。ソニーが2028年に向けて何を残すつもりなのかは、あと1年半で見えてきます。

関連記事

購入ガイド––PlayStationPC / SteamNEW

デス・ストランディングはどれから遊ぶ? 続編『2』に前作は必要か、2027年のアニメとの順番

『デス・ストランディング』は初代と続編『2』のどちらから遊ぶか。『2』は前作の11か月後の話で、公式は独立した続編と紹介しています。Steamの定価は4,980円と8,980円で、どちらも日本語音声付き。2027年配信のアニメとの順番も整理しました。