グラフィックスボードの値札を見比べると、同じ型番に「8GB」と「16GB」が並び、3万円ほどの差が付いています。払う価値があるのか決め手が見つからず、カートの前で止まっている人は多いと思います。
グラボのVRAMは8GBで足りるか。Steam調査と重い3作の動作環境で選ぶ8GB・12GB・16GB

ここで扱うのはVRAM、つまりグラフィックスボードに載った描画用の専用メモリです。パソコン本体のメモリの値上がりと選び方は、ゲーミングPCはメモリ高騰の今組むべきかで整理しました。こちらはグラボ側の話に絞ります。
Steam利用者のVRAMは8GBと16GBが並んでいる
Valveが毎月出しているSteamハードウェア調査の、2026年9月分から容量別の割合を拾います。参加を選んだSteam利用者の数字なので、PCゲーマー全体そのものではありません。表では主な容量だけを抜き出しています。
| VRAM | 割合 |
|---|---|
| 4GB以下 | 14.06% |
| 6GB | 5.12% |
| 8GB | 26.71% |
| 12GB | 13.06% |
| 16GB | 27.21% |
| 24GB | 5.50% |
いちばん多いのは16GBの27.21%で、8GBが26.71%で僅差に続きます。8GBはまだ利用者の4人に1人強がいる容量です。一方で、表にない20GBや32GBなども含めて12GB以上を合わせると、約50%とほぼ半数に届きます。
同じ調査には画面の解像度もあります。1920×1080が47.91%で半分近くを占め、2560×1440が27.04%で続きます。
4K(3840×2160)は4.79%にとどまりました。1440pは前月から5ポイント余り増えていて、解像度の項目ではいちばん大きな動きです。
重い作品の動作環境は、8GBを低〜中設定の線に置いている
Steamのストアページに載っている動作環境を、2026年10月12日に3作で確かめました。
| 作品 | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| インディ・ジョーンズ/大いなる円環 | RTX 2060 SUPER 8GB(1080p・低設定・60fps目標) | RTX 3080 Ti 12GB(1440p・高設定・60fps目標) |
| モンスターハンターワイルズ | GTX 1660 6GB(720pから1080pへ拡大・最低設定・30fps) | RTX 2060 Super 8GB(1080p・中設定・フレーム生成を使って60fps) |
| ボーダーランズ4 | RTX 2070(VRAM 8GBが必要と明記) | RTX 3080 |
8GBが出てくるのは、インディ・ジョーンズの最低と、モンスターハンターワイルズの推奨です。どちらも1080pで、画質は低〜中の範囲にとどまります。
ボーダーランズ4は解像度の記載がなく、最低の欄に「VRAM 8GBが必要」とだけ書いています。8GB未満は対象外だと、わざわざ線を引いた形です。
12GBが出てくるのは、インディ・ジョーンズの推奨だけです。前提は1440pの高設定です。インディ・ジョーンズのストアページの推奨は、NVIDIAとAMDの2枚がそろって12GBの製品です。今回の3作に、16GBを求めるものはありませんでした。
選び方の基準は「どの解像度で、どの画質で遊ぶか」
動作環境で見ると、8GBは1080pの低〜中設定までの線です。1440pの高設定になると12GBが出てきます。ただし12GBの根拠はインディ・ジョーンズ1本で、実機で測った数字ではないので、目安の線として読んでください。
もう1つ効くのが、何年使うつもりかです。今の推奨が8GBでも、3年後の新作も同じとは限りません。長く使う前提なら、1段上の容量を見ておく理由になります。
価格は2026年9月17日のAKIBA PC Hotline!の記事にあるColorful製品の店頭価格が目安です。同じメーカーの同じ世代なので、容量や格による差が見やすいためです。
5060 Tiと5060は「Gaming DUO」、5070は「Gaming」と製品ラインは分かれています。どれも9月17日時点の目安で、実売は在庫で動きます。
容量別のおすすめ
GeForce RTX 5060(8GB): 1080pを中設定までで割り切る人
店頭価格は67,800円です。VRAMは8GBです。1080pのモニターで画質を欲張らず、数年ごとに買い替えてもいいと割り切れるなら、この1枚で足ります。
GeForce RTX 5060 Ti(16GB版): 1440pを見すえる人
NVIDIAのRTX 5060ファミリーの仕様では、5060 Tiには16GBと8GBの2つの容量があります。店頭価格は16GB版が104,800円、8GB版が72,800円で、差は3万2千円です。
この3万2千円は、1440pで画質を上げるときの余裕と、数年先の新作への備えに払うお金です。5070より4万円ほど安く16GBが手に入るので、1440pのモニターを持っている人には素直な候補になります。
名前が同じなので、買うときは型番の末尾の「8GB」「16GB」を必ず確かめてください。
GeForce RTX 5070(12GB): 容量よりGPUの格を取る人
店頭価格は144,800円からです。5060 Tiの16GB版より4万円ほど高いのに、VRAMは12GBと少なくなります。VRAMは足りているかどうかが大事な部品で、描画の速さを主に決めるのはGPUそのものの格のほうです。
RTX 5070ファミリーの仕様で12GBとされていて、インディ・ジョーンズが1440pの推奨に置いた容量と同じです。型番の上位を優先し、1440pで使う人に向きます。
12GBと16GBで迷うなら、今の動作環境だけなら12GBで1440pの推奨に届きます。16GBに払う分は先への余裕です。容量と値段を取るなら5060 Tiの16GB版、GPUの格を取るなら5070、と分けると決めやすくなります。
GeForce RTX 5070 Ti / Radeon RX 9070 XT(16GB): 1440p以上を長く使う人
どちらもメーカーの仕様でVRAMは16GBです。1440pの高画質を何年も保ちたい人の選択肢になります。4Kについては今回の3作に動作環境の記載がなく、ここでは判断できません。この2枚は今回の価格の目安に入っていないので、値段は販売店で確かめてください。
容量別の比較表
| 製品 | VRAM | 店頭価格の目安 | 目安の解像度 |
|---|---|---|---|
| RTX 5060 | 8GB | 67,800円 | 1080p |
| RTX 5060 Ti(8GB版) | 8GB | 72,800円 | 1080p |
| RTX 5060 Ti(16GB版) | 16GB | 104,800円 | 1080p〜1440p |
| RTX 5070 | 12GB | 144,800円〜 | 1440p |
| RTX 5070 Ti | 16GB | ― | 1440p以上 |
| RX 9070 XT | 16GB | ― | 1440p以上 |
価格は2026年9月17日時点のColorful製品の店頭価格です。目安の解像度は、上の3作の動作環境をもとにしています。5070 TiとRX 9070 XTは3作の記載にないため、容量からの推定です。
結局どれを選ぶか
1080pのモニターで、画質を中設定までで割り切るなら、8GBで足ります。RTX 5060で止めて、浮いたお金をソフトに回すのが無理のない形です。
1440pのモニターを持っている、あるいは買うつもりなら、12GB以上を選びます。最初の候補はRTX 5060 Tiの16GB版です。
迷いやすいのは5060 Tiの8GB版です。5060との差は5,000円で、VRAMは同じ8GBです。容量で選ぶなら、5060で止めるか16GB版まで上げるかのどちらかにしたほうが、払ったぶんの理由がはっきりします。
本体のメモリは後から足せるので欲張らなくていい、と前の記事で書きました。VRAMはその逆で、ふつうはグラフィックスボードを替えない限り増やせません。新作の推奨欄に12GBが並ぶ作品が増えてきたら、この線は動いたと見て選び直してください。
迷っているなら、まず手元のモニターの解像度を確かめてください。容量はそこから自然に決まります。
※ 2026年10月時点の実売価格は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
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