6月のZoomで資金の打ち切りを告げられた

小島秀夫監督が、『PHYSINT』の資金を打ち切られた場面をIGNの独占インタビューで初めて語りました。ソニーが手を引いた理由をめぐる報道は、『PHYSINT』からソニーが降りた理由で整理しています。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から会議の要請が届いたのは今年6月。監督はニューヨークからロサンゼルスへ移動する途中でした。Zoomで告げられたのは、開発資金の打ち切りです。監督はその瞬間をこう振り返っています。

『PHYSINT』の開発にはもう資金を出せない、と言われて、ショックを受けました。

理由の説明はなかったとしています。その場で問いただすこともできず、以後SIEからの連絡はないといいます。

約200人のスタジオが止まりかけた

最初に浮かんだのは怒りでも悲しみでもなく、どうすればいいのか、でした。コジマプロダクションは独立スタジオで、従業員は約200人。『PHYSINT』のために採用した人もいて、銀行からの借り入れもあります。

監督はコナミでの『P.T.』『サイレントヒルズ』中止にも触れ、出演者や協力者にどう伝えるかを案じたといいます。

ここから新しい発売元を探す3か月が続きます。行き着いた先がXboxで、提携の拡大は9月10日に発表されました。

報道に答えたのは会社の声明だった

このインタビューは、9月11日のブルームバーグ報道より前の収録です。予算超過や売上といった論点に、監督自身が答えた場面はありません。

答えたのは会社のほうです。コジマプロダクションは9月20日、英語版の公式Xで声明を出しました。報じられた内容は公式の情報源によるものではないとして、鵜呑みにしないよう呼びかけています。

あわせて、スタジオは黒字で、『PHYSINT』の開発はXboxとともに進んでいるとしています。監督自身もソニーについて、好きだし悪い感情はないと述べています。

けん玉のひとこと

資金を止める判断そのものは、会社として起こりうることです。引っかかるのは、理由が本人に伝わらないまま3か月が過ぎ、外の報道が先に空白を埋めてしまったところ。

声明で否定されたのは情報の出どころであって、中身ではありません。SIEも理由を語らないまま。当事者が黙っている限り、読者は誰の証言を取るかを選ばされ続けるんですよね。

それでも企画は生きていて、会社も残りました。対応機種も発売時期もまだ未発表です。次に知りたいのは経緯ではなくゲームそのもののはずで、その続報を一緒に待ちたいところです。