「チップの発注を断られた」

復刻機 NEOGEO AES+ の発売は、2026年11月12日から2027年9月16日へ10か月延びました。この延期の裏で何が起きていたかを、PLAION のベン・ジョーンズ氏が明かしています。

ジョーンズ氏はハードとソフトを統括する責任者で、Video Games Chronicle の取材に応じました。詰まっていたのは、カートリッジに使うパラレル NOR フラッシュです。

ジョーンズ氏は、この部品が「ほぼ入手できない」状態になったと話しています。調達のために台湾へ出向いたものの、返ってきたのは6か月待ちでした。20年近く同社にいて、チップの発注を断られたのは初めてだと振り返っています。

カートリッジの専用チップを作り直した

ジョーンズ氏によると、厄介だったのは専用チップ(ASIC)を2つ、すでに作り終えていたことです。カートリッジでメモリを扱う部分で、パラレル接続を前提に設計してありました。

そこで検討したのが、代わりにシリアル NOR フラッシュを使う案です。信号の形式が違うため、専用チップ側にシリアルからパラレルへ変換する仕組みを足す必要がありました。

最高技術責任者のブルーノ・ストゥー氏は、この作り直しについて選択肢はなかったと述べています。ジョーンズ氏は、フラッシュの解決策がなければすべて終わっていたと思う、と語りました。

「メモリ不足」の一言の下にあったこと

9月の発表で示された理由は、AI 向け需要によるメモリ供給の逼迫だけでした。部品が足りないので生産体制を整える、という説明です。

今回の取材で見えたのは、その裏で設計そのものを作り直していたことです。発売日の2027年9月16日について、さらに動くという話は出ていません。

けん玉のひとこと

10か月という幅は、部品を待つ時間ではなく作り直す時間だったことになります。手に入る部品に合わせて回路を組み替える判断は、少量生産のハードでは重いはず。

シリアルに替えた分、カートリッジの読み込みがどう変わるのかは私には読めません。動いている試作機の映像が出れば、そこで確かめられるところ。

ここまで話す会社は多くないんですよね。どこで詰まってどう回避したかを、名前を出して説明できる相手です。予約を急がずに、2027年まで付き合ってみる価値はあるはず。