2016年11月10日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントはPS4 Proを44,980円(税抜)で発売しました。2026年11月10日で、発売からちょうど10年になります。
PS4 Pro発売10年。世代の半ばで性能を上げる手法は、ここから当たり前になった

据置機の世代の半ばで、性能を上げた上位モデルを出す。今では当たり前になったやり方ですが、当時は前例のない賭けでした。PS4 Proは、その起点にあたる一台です。
差額15,000円で2.3倍、PS4 Proの中身
| 項目 | PS4(CUH-2000) | PS4 Pro(CUH-7000) |
|---|---|---|
| 発売日 | 2016年9月15日 | 2016年11月10日 |
| 希望小売価格 | 29,980円(500GB・税抜) | 44,980円(税抜) |
| GPU演算性能 | 1.84 TFLOPS | 4.20 TFLOPS |
| CPU | Jaguar 8コア 1.6GHz | Jaguar 8コア 2.13GHz |
| メモリ | GDDR5 8GB | GDDR5 8GB(+DDR3 1GB) |
| ストレージ | 500GB / 1TB | 1TB |
| 映像出力 | 1080p | 4K・HDR対応 |
GPUの演算性能は1.84 TFLOPSから4.20 TFLOPSへ、約2.3倍になりました。差額は15,000円です。CPUのクロックも1.6GHzから2.13GHzへ上がっています。
同じ2016年9月8日の発表で、ソニーはもう一台を並べていました。小型化した通常モデルのPS4(CUH-2000)です。こちらは性能そのままで、500GBモデルが29,980円(税抜)です。
性能を上げる側と、安く小さくする側。同じ世代のPS4が、この日から二股に分かれました。型番が近いため混同されがちですが、スリム型に性能向上はありません。
4K出力は、すべてを4Kで描く方式ではありませんでした。市松模様に間引いて描き、残りを推測で埋めるチェッカーボードレンダリングが広く使われています。ネイティブ4Kには届かないものの、当時のコストで4Kテレビに絵を出すための現実解でした。
発売から4か月後の2017年3月9日には、システムソフトウェア4.50でBoostモードが加わります。Pro向けに作られていない旧作でも、上がったクロックの恩恵で動作が安定する場合がある機能でした。
先に仕掛けたのはマイクロソフトだった
ミドルサイクル機という発想を先に表に出したのは、ソニーではありません。マイクロソフトは2016年6月13日のE3で、新型を「Project Scorpio」として予告しました。性能を大きく引き上げる、という触れ込みです。
PS4 Proの発表は、その約3か月後の9月8日でした。発売にこぎ着けたのはPS4 Proが先で、Scorpioの発売はE3での予告から約1年後でした。
ScorpioはXbox One Xとして完成し、日本では2017年11月7日に49,980円(税抜)で発売されました。GPU性能は6 TFLOPSで、PS4 Proの4.20 TFLOPSを上回っています。
同じ世代のなかで、後から出したほうが性能で上回る。据置機にスペック競争が持ち込まれたのは、このときからです。
同じE3では小型化したXbox One Sも発表されています。こちらは1.4 TFLOPSで、狙いは4K動画の再生と省スペース化にありました。性能を上げたXとは役割がまったく違うため、並べて語ると話がこじれます。
据置機では前例がなかった手法ですが、携帯機には先行例がありました。2014年10月11日発売のNewニンテンドー3DSです。CPUを強化し、2015年4月の『ゼノブレイド』のように、従来の3DSでは動かない専用ソフトまで出しています。
「途中で上げる」自体は、任天堂が携帯機で先に試していました。それを据置機に持ち込んだのが、マイクロソフトとソニーです。
10年で、性能の伸びは縮み値段は倍になった
PS4は2022年6月30日時点で累計1億1,700万台以上を出荷しました。ただ、そのうちProが何台だったかをソニーは公表していません。数字で語れないぶん、10年後に残ったのは台数ではなく手法のほうです。
2024年11月7日、PS5 Proが119,980円(税込)で発売されました。SIEの発表では、コンピュートユニットが67%増、レンダリング速度が最大45%向上とされています。
PS5 Proの公表値はコンピュートユニット数とレンダリング速度で、PS4 Proのときの演算性能とは物差しが違います。それでも67%増と約2.3倍では、伸びの桁が違います。
価格のほうは、はっきりしています。44,980円(税抜)から119,980円(税込)へ。当時の税率8%で税込にそろえても、約2.5倍です。
性能の伸びは小さく、値段の伸びは大きい。10年でミドルサイクル機の性格は、ずいぶん変わったことになります。
それでも手法そのものは定着しました。ひとつの世代を7年前後も使うなら、途中で一度テコ入れしないと最後まで持ちません。PS4 Proが試したのは、性能というより世代の時間の使い方でした。
今からPS4 Proを手に入れるには
PS4 Proの新品出荷はすでに終わっています。手に入れるなら中古が前提で、2026年9月時点のハードオフ通販では22,000〜27,500円あたりが目安でした。通常のPS4より5,000円ほど高い値付けです。
手持ちのPS4ソフトを遊びたいだけなら、PS5の後方互換という道もあります。PS5ではPS4タイトルの99%以上が動作し、ディスク版を使うならドライブ搭載モデルが必要です。対応状況はPlayStation公式のPS5ページから確認できます。
中古のPS4と新品のPS5をどう比べるかは、PS4を今から買う価値はあるかで整理しました。Proを選ぶかどうかも、その延長にある判断です。
今あえてProを選ぶ理由が残るのは、4Kテレビを持っていて、手持ちのソフトを少しでも良い画で遊びたい場合です。テレビが1080pなら、差額の5,000円を急ぐ必要はありません。
けん玉のひとこと
10年前、PS4 Proの発表を見たときは少し身構えました。買ったばかりの本体が型落ちになる気がして、素直には喜べなかったんですよね。
実際に触れてみると、劇的に変わるわけではありませんでした。同じソフトが少し滑らかになる、その程度の手ざわりでした。4Kテレビを持っていなければ、なおさら差は分かりにくかったはずです。
それでも10年たって、この形は残りました。世代を長く使うほど、途中で一度上げ直す意味が出てくるところ。PS4 Proは早すぎたのではなく、ただ最初だっただけなんだと思います。
11月10日で10年。押し入れにProが眠っている人は、久しぶりに電源を入れてみる日にしてもいいんじゃないでしょうか。当時15,000円をどこに払ったのか、案外はっきり思い出せるはずです。
※ Xbox One Xの日本での発売日と価格は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
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