四半世紀ぶりに、ONI が動いた
2001年3月22日にプレイステーションで発売された『ONI零〜復活〜』が、Switch でリブートされます。タイトルは『ONI零〜復活〜Reboot』。開発・販売はメビウスです。
発売は2027年春と伝えられ、価格はまだ発表されていません。9月17日から幕張メッセで開かれる東京ゲームショウ2026では、コナミのパートナーブースで試遊できます。
ただし販売元がコナミになったわけではありません。権利表記は「© Takiya Iijima. © Shannon.」で、作品は原作者とその会社の手元にあります。
体制のほうが目を引きます。原作者の飯島多紀哉さんが、新規イベントと新規戦闘曲を自分で足します。本人が出る配信番組も、9月18日の15時から予定されています。
ONI シリーズは、1990年12月8日のゲームボーイ『鬼忍降魔録 ONI』から始まりました。隠忍と呼ばれる存在を描く和風 RPG で、ゲームボーイで5作、スーパーファミコンで2作、アーケードで1作と重ねています。
『ONI零〜復活〜』は、その系譜のプレイステーション版でした。開発はパンドラボックス、定価1,980円の「パンドラMAXシリーズ」第6弾です。大作ではありません。低価格帯の一本として出た和風 RPG が、四半世紀を越えて呼び戻されました。
リメイクは、誰が作るかで中身が変わる
いま出ているリメイクは、大きく二つに分かれます。原作の作り手が戻ってくる形と、当時のスタッフがいないまま今のチームが作り直す形です。
戻ってきた例が『ファイナルファンタジーVII リメイク』(2020年)です。原作で企画とシナリオを統括した北瀬佳範さんがプロデューサーを務めました。
キャラクターデザインの野村哲也さんはクリエイティブディレクターです。物語の筋そのものに手が入ったのは、この体制だからできたことです。
逆の例が『バイオハザード RE:2』(2019年)です。ディレクターは門井一憲さん。1998年の原作を指揮した三上真司さんは2007年にカプコンを離れており、本作には関わっていません。
RE:2 の評価は高く、原作者がいないから駄目だという話ではありません。ただ、どこまで変えてよいかの線引きは、明らかに別の人がしています。今のプレイヤーに届く形を選ぶ判断です。
国内でも同じ分かれ方が起きています。『続ポートピア連続殺人事件:忘却の埋葬』は前者です。堀井雄二さんが原作・制作総監督を務め、原作の事件に新しい捜査ファイルを足します。今回の ONI 零も、この並びに入ります。
本人が書き直すときは、止める人がいない
飯島さんは、2006年までは飯島健男の名前で活動していました。『ラストハルマゲドン』(1988年)、『BURAI』、『学校であった怖い話』。名義は変わっても、同じ人が同じ作品に戻ってくる形です。
メビウスとの組み合わせも初めてではありません。2022年の『アパシー 鳴神学園七不思議』がそうでした。Switch 版を出すにあたり、飯島さんは選択肢を含めて全部書き直したと語っています。移植ではなく書き直しです。
この前例を踏まえると、今回の新規イベントも、既存のシナリオに寄り道を一本足して終わり、とはならないはずです。戦闘曲まで本人が作るなら、触る範囲は戦闘のテンポや難度にも及びます。
一方で、原作者が書き直すときには止める人がいません。当時の粗さや不親切さは、その作品の手触りでもあります。今の感覚で整えすぎると、覚えている人の記憶とずれます。
そこをどう扱うかは、本人にしか決められません。そこが今回の見どころです。他社のリメイクなら「原作を尊重したか」で語られる部分が、今回は「原作者が何を残したいか」の話になります。
けん玉の見方
原作が1,980円のシリーズ作だったことを考えると、この復活はかなり珍しい部類なんですよね。販売本数は公表されていないままで、代表作として名前が挙がる機会も多くありません。それでも戻ってきました。
理由のひとつは、権利が作り手の側にあることだと思います。鬼武者の20年やScalebound の復活条件を追ってきました。
眠ったシリーズが動くかは会社の都合しだい、という場面が多いところ。個人名で権利表記が並ぶ今回は、その手前の交渉が要りません。
心配なのは規模のほうです。25年前の低価格帯 RPG を、今の Switch のソフトとして成立させるには、絵も操作も相応に作り直すことになります。ここは追加要素の話より重いところ。
試遊台が幕張に出るので、どこまで作り替えるつもりなのかは、今週のうちに見えてきます。原作を遊んだ人は、あの手触りが残っているかどうかを今週の映像で確かめられるはず。
名前を初めて見た人は、25年越しで戻ってきた和風 RPG がどんな顔をしているのかを見てほしいところ。2027年春を一緒に待ちましょう。





