任天堂は投資家向けに、Nintendo Switch のソフトを1本ずつ、販売本数付きで公開しています。宣伝のために出した数字ではなく、決算と同じ基準で集計されたものです。
あつまれ どうぶつの森は5029万本。任天堂IRで追う最初の11日間とその後

そこに並ぶ『あつまれ どうぶつの森』の値が5,029万本。2026年6月末時点の全世界累計で、Switch ソフトの歴代2位にあたります。1位は『マリオカート8 デラックス』の7,153万本です。
では、この5,029万本はいつ積み上がったものなのか。任天堂の決算説明資料をさかのぼると、四半期ごとの数字が残っています。公式の値だけで階段をたどってみます。
最初の11日間で1,177万本
発売日は2020年3月20日でした。2020年3月期の決算説明資料に載っている当期の販売本数は1,177万本です。期末が3月末ですから、発売から11日間で積んだ数ということになります。
同じ資料で任天堂は、日米欧3地域の累計セルスルーが6週間で1,300万本を超えたと説明しています。Switch タイトルとして最速の出足でした。その時点で、シリーズ最高だった3DS の『とびだせ どうぶつの森』をすでに追い越しています。
四半期ごとの推移は次のとおりです。
| 時点 | 全世界累計 | 任天堂が公表した期間の販売本数 |
|---|---|---|
| 2020年3月末(発売から11日) | 1,177万本 | 2020年3月期: 1,177万本 |
| 2020年6月末 | 2,240万本 | 2021年3月期 第1四半期: 1,063万本(うち国内331万本) |
| 2021年3月末 | 3,263万本 | 2021年3月期 通期: 2,085万本(うち国内553万本) |
| 2021年12月末 | 3,762万本 | 2022年3月期 第3四半期まで: 499万本(うち国内70万本) |
| 2026年6月末 | 5,029万本 | ― |
数字はいずれも任天堂の決算説明資料と販売実績ページによるものです。右の列は決算期が重なっており、通期の2,085万本には第1四半期の1,063万本が含まれます。
階段として見るのは累計の列です。発売から1年余りで3,263万本。この時点で、いまの5,029万本の6割以上を積み終えています。
続く2021年4月からの9か月は499万本で、ペースははっきり落ちました。ただし、そこで止まったわけではありません。2021年末から2026年6月末までの4年半で、さらに1,267万本が積まれています。
年に280万本ほど動き続けている計算です。発売から6年が過ぎたソフトの数字としては、かなり大きいほうだと思います。この先も同じペースが続くのかは、次の決算説明資料を開けば分かります。
国内だけで1,000万本を超えた
2022年3月期第3四半期の決算説明資料に、任天堂ははっきりした書き方を残しています。『あつまれ どうぶつの森』の国内累計セルスルーが1,000万本を超えた、という説明です。
比較に挙がっているのが1985年の『スーパーマリオブラザーズ』です。その681万本を大きく上回り、1本のソフトが国内で売った数としては、これまでで最も多いとしています。
ただし国内の正確な本数は、この資料に載っていません。分かるのは1,000万本を超えたところまでで、内訳までは追えません。
ここで気をつけたいのが物差しの違いです。ファミ通ゲーム白書の国内推定パッケージ販売本数では、この作品は802万本で国内歴代1位とされています。同じ国内1位でも、200万本近い差があります。
任天堂の値はダウンロードを含む世界基準の集計で、ゲーム白書は国内のパッケージ販売の推定です。前提が違うので、並べて引き算はできません。数え方の違いはミリオンセラー100万本の数え方で整理しました。
過去作の数字は、半分しか公開されていない
シリーズは2001年の NINTENDO64 版『どうぶつの森』から始まりました。続くゲームキューブでは『どうぶつの森+』『どうぶつの森e+』が出ています。
ニンテンドーDS の『おいでよ どうぶつの森』は2005年11月23日に出ました。Wii の『街へいこうよ どうぶつの森』は2008年11月20日に出ています。3DS の『とびだせ どうぶつの森』は2012年11月8日です。
このうち任天堂が現在も販売実績を公開しているのは、3DS 以降だけです。主要タイトル販売実績のページに並ぶ機種は3つです。Nintendo Switch・Wii U・ニンテンドー3DS だけになっています。
DS・Wii・ゲームキューブ・NINTENDO64 のページは置かれていません。つまり公式にたどれるのは、『とびだせ どうぶつの森』の1,307万本から先ということになります。この値は2026年3月末時点のものです。
とびだせは2016年11月23日に『amiibo+』として仕様を足し、再発売されました。1,307万本はそれも含む値です。
『あつまれ どうぶつの森』の5,029万本は、その3.8倍にあたります。シリーズの数字が変わったのはここだと、公式に残る範囲でも言い切れます。
けん玉のひとこと
発売11日で1,177万本という数字を見ると、あの春を思い出します。外に出られない時期と、発売日がちょうど重なりました。運が良かった、という言い方はできるんですよね。
ただ、家にいる時間が増えた人が全員この作品を選んだわけではありません。島を作って人に見せる遊びが、ちょうどその状況にはまりました。合わせに行ったのではなく、19年かけて用意されていたものが受け止めた、というほうが近いはず。
けん玉が気になるのは、むしろそのあとです。2021年4月からの9か月は499万本まで落ちました。それでも2026年6月末までの4年半で1,267万本。特需が終わってからのほうが、売れている期間としては長いわけです。
年に280万本ほどというのは、買った人が遊び続けている数字ではありません。あとから始める人がずっといた、ということ。派手さはないけれど、ロングセラーの正体はここなんですよね。
島はいまも残っています。しばらく起動していない人ほど、久しぶりに戻ったときの落差は大きいはず。数字をたどるのはここまでにして、まずは自分の島がどうなっているかを見に行ってみませんか。
※ ニンテンドーDS・Wii 世代のどうぶつの森の販売本数は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
数字は、開示された分だけ残る
発売11日で1,177万本、1年余りで3,263万本、6年3か月で5,029万本。国内では1,000万本を超え、1本のソフトが国内で売った数としては過去最多になりました。公式にたどれる前の最高は『とびだせ どうぶつの森』の1,307万本です。
一方で、DS と Wii の数字はもう公式ページに置かれていません。シリーズの歩みを数字で追えるのは、任天堂が開示を続けている範囲まで、ということでもあります。
決算説明資料は誰でも開けます。気になるシリーズがあれば、発売順に並べてみてください。
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