米経済誌Fortuneが10月20日、次世代Xbox「Project Helix」の価格試算を報じました。据え置き機は社内で1,200〜1,800ドルと試算されているそうです。Xboxを率いるアシャ・シャルマ氏の人物記事の中での話です。
次世代Xbox「Project Helix」の1,200ドル試算は高いのか。歴代ゲーム機の発売価格を物価で並べ直す

次世代が「ファミリー」になる話は、Project Helix、次世代Xboxは1台ではないのかで整理しました。今回は値段に絞り、歴代のゲーム機と比べてどれほど高いのかを確かめます。
同じ記事は、携帯機を2027年、据え置き機を2028年のホリデーシーズンまでに出す計画だとも伝えています。価格も時期も、Microsoftが公式に発表したものではありません。
1,200ドルは「補助しなければ」の数字
まず数字の性格です。Fortuneは試算の出どころを示していません。どの部署が、いつ、どんな前提で出したのかも書かれていない匿名の情報です。
そのうえで、記事には「Microsoftが価格を補助しなければ」という条件が付いています。補助を入れない素の値段、という意味の数字です。
部品の値段が上がっていることは、Xbox自身が認めています。6月25日のXbox Wireの告知では、本体のストレージとメモリの価格が2.5倍以上になったと説明しました。2027年の秋までに、さらに倍になる見込みだともしています。
同じ告知は、ゲーム機はふつう利益を出して売るものではない、とも書いています。本体は原価を割って売り、ソフトやサービスで取り返すのが、これまでのやり方でした。1,200ドルという数字は、その前提をいったん外した値段です。
物価で直すと、据え置き機の多くは500〜700ドル前後
では、歴代のゲーム機はいくらで出たのか。米国での発売価格を、米労働統計局の消費者物価指数(CPI-U)の年平均で2025年の水準に直しました。
| 機種 | 米国発売 | 発売価格 | 2025年の物価で |
|---|---|---|---|
| ネオジオ | 1990年 | 649.99ドル | 約1,600ドル |
| 3DO(パナソニック FZ-1) | 1993年 | 699.99ドル | 約1,560ドル |
| PlayStation | 1995年 | 299ドル | 約630ドル |
| PlayStation 2 | 2000年 | 299ドル | 約560ドル |
| Xbox | 2001年 | 299ドル | 約540ドル |
| Xbox 360(コア/プレミアム) | 2005年 | 299ドル/399ドル | 約490ドル/約660ドル |
| PlayStation 3(20GB/60GB) | 2006年 | 499.99ドル/599.99ドル | 約800ドル/約960ドル |
| Xbox One | 2013年 | 499ドル | 約690ドル |
| PlayStation 4 | 2013年 | 399.99ドル | 約550ドル |
| PlayStation 4 Pro | 2016年 | 399ドル | 約540ドル |
| Xbox One X | 2017年 | 499ドル | 約660ドル |
| Xbox Series X/S | 2020年 | 499.99ドル/299.99ドル | 約620ドル/約370ドル |
| PlayStation 5(通常/デジタル) | 2020年 | 499.99ドル/399.99ドル | 約620ドル/約500ドル |
| PlayStation 5 Pro | 2024年 | 699.99ドル | 約720ドル |
換算には発売年の年平均を使ったので、数十ドルの幅がある目安です。日本円での同じ検算は、初代プレイステーションの39,800円を物価で直した記事で試しています。
表を見ると、PlayStationとXboxの据え置き機の多くは、物価を直すと500〜700ドル前後に収まっています。
下に外れるのはSeries Sの約370ドルです。上に飛び出しているのはPS3で、20GBが約800ドル、60GBが約960ドルでした。
1,200ドルならPS3の25%増し、1,800ドルなら3DOも超える
名目の値段で比べると、1,200ドルはPS3の60GBの599.99ドルのちょうど2倍です。ところが物価を直すと、差は約25%に縮まります。1,800ドルまで行けば、PS3の60GBの約1.9倍です。
1,200ドルは史上最も高いXboxです。ただし、史上最も高いゲーム機ではありません。さらに上には90年代の2台がいて、ネオジオは約1,600ドル、3DOは約1,560ドルです。
ネオジオは、ゲームセンターと同じソフトを家で遊べるのが売りの機械でした。3DOは発売から約半年で499ドルに下がり、1994年の秋には399.99ドルまで値を下げています。1,200ドルはこの2台より下で、1,800ドルなら上回ります。
Fortuneによれば、据え置き機は2028年のホリデーシーズンまでに出す計画です。それまでに物価もいくらか上がりますが、先に触れた部品の値上がりのほうが、値段への効き方は大きいはずです。
今の機種がもう上がっている
もうひとつ見ておきたいのは、比べる相手の今の値段です。Xbox Wireの告知どおり、8月1日から1TBのモデルは150ドル上がりました。ディスク付きのSeries Xは、これで799.99ドルになったと報じられています。
発売時の499.99ドルから、6年で300ドル上がった計算です。1,200ドルは、いまのSeries Xの1.5倍にあたります。発売時の値段と比べたときほどの開きはありません。
値上げはXboxだけの話でもありません。任天堂はSwitch 2の米国価格を、9月1日に449.99ドルから499.99ドルへ改めました。
国内の日本語・国内専用モデルも、5月25日から49,980円が59,980円(税込)になっています(任天堂の告知)。
日本の値段は、ドル建ての価格をそのまま為替で直したものになるとは限りません。Series Xは発売時、499.99ドルに対して国内は49,980円(税別)でした。
Helixの国内価格を、いまのドル円で掛け算して見積もるのは早いと考えています。
けん玉のひとこと
1,200ドルと聞いて身構えましたが、物価で直せばPS3の60GBの延長線上なんですよね。ただしこれは試算の下限の話で、1,800ドルなら3DOやネオジオも超えます。
ストレージとメモリが2.5倍以上と作り手が自分で言うほどの事情も分かるところ。大きく作り込んだ機械が高くなるのは、納得できる話です。
一方で、3DOは発売から約半年で値下げに動きました。高い1台だけで世代を始めるのは難しいはず。前の記事で触れた「ファミリー」の中に、Series Sのような手ごろな入り口があるかどうか。そこが一番の見どころです。
2027年に携帯機の値段が出たら、いまのSeries Xの799.99ドルと並べてみると、据え置き機の見当もつくはず。
本体が上がっても、手ごろなインディー作品やセールで遊べるものは増えています。値段が正式に出る日を、一緒に楽しみに待ちましょう。
※ ネオジオや3DOなど古い機種の発売価格の一部は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。




