1996年3月22日、PlayStation用ソフトとして『バイオハザード』が発売されました。2026年3月22日で30年になりました。カプコンは特設サイトを開いたままにしていて、記念の企画はいまも続いています。
『バイオハザード』30周年。当時最多だった『6』のあとで、カプコンはホラーに戻した
30年のあいだ、このシリーズは同じ場所に留まっていません。洋館を歩き回る遅いホラーから、肩越しの視点で撃つアクションへ移り、そこからまた一人称のホラーへ戻りました。
その振れ幅は、感想ではなく数字と記録で追えます。カプコンは作品ごとの累計本数を公開していますし、路線を戻した経緯も自社サイトに残しています。発売順に並べてみます。
発売順に並べると、跳ねた場所がはっきりする
| 作品 | 発売日 | 初出機種 | 累計本数 |
|---|---|---|---|
| バイオハザード | 1996年3月22日 | PlayStation | 275万本 |
| バイオハザード2 | 1998年1月29日 | PlayStation | 496万本 |
| バイオハザード3 LAST ESCAPE | 1999年9月22日 | PlayStation | 350万本 |
| バイオハザード CODE:Veronica | 2000年2月3日 | ドリームキャスト | 114万本 |
| バイオハザード4 | 2005年1月27日 | ゲームキューブ | 160万本 |
| バイオハザード5 | 2009年3月5日 | PS3/Xbox 360 | 1,090万本 |
| バイオハザード6 | 2012年10月4日 | PS3/Xbox 360 | 1,110万本 |
| バイオハザード7 レジデント イービル | 2017年1月26日 | PS4/Xbox One/PC | 1,840万本 |
| バイオハザード RE:2 | 2019年1月25日 | PS4/Xbox One/PC | 1,970万本 |
| バイオハザード RE:3 | 2020年4月3日 | PS4/Xbox One/PC | 1,450万本 |
| バイオハザード ヴィレッジ | 2021年5月8日 | PS4/PS5ほか | 1,580万本 |
| バイオハザード RE:4 | 2023年3月24日 | PS4/PS5ほか | 1,600万本 |
| バイオハザード レクイエム | 2026年2月27日 | PS5/Switch 2ほか | 800万本 |
本数はカプコンのミリオンセラータイトル一覧にある2026年6月30日時点の数値です。一覧では移植版が別項目になっているため、表に入れたのは初出の版だけです。
『レクイエム』だけは発売から4か月ほどの数字で、ほかと同じ物差しでは読めません。シリーズ全体では、2025年12月31日時点で1億8,300万本に達したとカプコンが発表しています。
『4』はカメラを動かし、機種をまたいで売れた
2005年1月27日、『バイオハザード4』がゲームキューブで出ました。主人公の肩越しにカメラを置き、狙って撃つ操作を前面に出した作品です。
固定カメラで画面の外を想像させる作りから、見える範囲を自分で決める作りへ変わりました。怖さの出どころが、見えないことから間に合わないことへ移ったとも言えます。
ゲームキューブ版だけを見ると160万本です。ただしこの作品は、その後も移植を重ねました。同じ一覧に載る版を足すと、およそ1,580万本になります。
内訳はPS2版が230万本、Wii版が200万本、PC向けの2014年版と現行機向けの2016年版がそれぞれ370万本。旧世代機の配信版が130万本、Switchの配信版が120万本です。
つまり『4』は、初出の数字だけで語ると見誤ります。置いた場所が狭かっただけで、作品そのものは十数年かけて広く売れました。
当時のゲームキューブは、任天堂の据置機として苦戦した機種でした。その事情は発売から25年の記事にまとめています。
『6』はよく売れた。それでもカプコンは方向を変えた
『5』が1,090万本、『6』が1,110万本。一つの版で1,000万本を超えたのは『5』が初めてで、『6』はそれを上回りました。アクションに寄せた路線は、数字のうえでは成功していたことになります。
ところがカプコンは、ここで舵を切り直します。同社が公開している『7』の開発記録に、その経緯が残っています。2014年1月4日、会長の辻本さんが開発責任者の竹内潤さんに『7』の担当を伝えました。
竹内さんがチームに示した方針は、はっきりしています。
原点であるサバイバルホラーに立ち返ろう
ただし初期作をなぞる話ではありませんでした。記録には「今の時代だからこそ実現できるホラーゲーム」「誰も体験したことのない恐怖をユーザーに届けたい」という言葉が並びます。
この過程で新しいゲームエンジン「REエンジン」が生まれ、2016年6月に『7』が正式発表されました。結果は数字に出ています。『7』は1,840万本で『6』を超え、『RE:2』は1,970万本でシリーズ最多になりました。
『RE:3』が1,450万本、『ヴィレッジ』が1,580万本、『RE:4』が1,600万本。『7』以降で発売から数年が経った作品は、どれも1,400万本を超えています。
売れている路線を、売れているうちに畳む。30年を通して見ると、これがいちばん大きな分かれ道でした。
今から遊ぶなら、埋まっていないのは『CODE:Veronica』
現行機で揃えやすいのはリメイク群です。『RE:2』『RE:3』『RE:4』はPS5、Xbox Series X|S、Steamで買えます。
『7』と『ヴィレッジ』は2026年2月27日にSwitch 2版が出ました。最新作『バイオハザード レクイエム』も同じ日の発売です。PS5、Xbox Series X|S、Switch 2、PCに対応します。
初代を触るなら、2002年のリメイクを作り直したHDリマスター版が入り口です。2015年1月20日にPS4、Xbox One、Steamへ、2019年5月23日にはSwitchへ配信されました。
2026年4月2日には、1996年のオリジナル版そのものがSteamで配信を始めました。BIOHAZARD (1996)として並んでいます。
手薄なままなのが『CODE:Veronica』です。現行機で普通に買える形になっていません。Xboxでは360版が後方互換で購入でき、PlayStationではクラウド配信という扱いです。
PC版はいまも出ていません。リメイク版『RE:ベロニカ』が2027年に出ると報じられていますが、遊べる状態が整うのはまだ先です。
カプコンは、休んでいたシリーズを動かすのが早い会社です。『鬼武者』も約20年ぶりの新作が9月4日に出ました。『CODE:Veronica』の番が来ても、おかしくはありません。
けん玉のひとこと
30年ぶんの表を眺めていて引っかかるのは、『6』の1,110万本という数字です。当時としてはシリーズ最高でした。それでもカプコンは、次の作品で路線を戻しています。
数字が出ている企画をやめる判断は、社内でいちばん通しにくいはずです。決めるまでに時間がかかったことは、開発記録に残る日付からも読み取れます。
面白いのは、戻した先が昔のバイオハザードではなかったことです。一人称という、初代がやっていない見せ方を選んでいます。
原点回帰と言いながら、実際にやったのは怖さの理由をつくり直すことでした。7以降の数字は、その作り直しに客がついてきた結果だと思います。
そう考えると、30周年の見どころは記念グッズではありません。次に振れるとしたらどちらか、です。『レクイエム』は発売から4か月ほどで800万本という立ち上がりでした。
答え合わせは、カプコンの決算資料と次の発表で付きます。『レクイエム』の累計が『RE:2』の1,970万本に近づいたとき、同社が次に何を作ると言うか。同じ路線を続けると言えば、『6』のときの判断は例外だったことになります。
※ 『RE:ベロニカ』の発売時期は一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
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