1996 年 9 月 20 日、PlayStation で『女神異聞録ペルソナ』が発売されました。今年の 9 月 20 日で 30 年です。『ペルソナ5』が世界で売れ、リバイバルも新作も動いている、その出発点にあたる 1 本です。
女神異聞録ペルソナ30周年、悪魔と話す学園RPGはシリーズに何を残したか

初代が何をやったのかは、いま遊ばれている『ペルソナ』の骨組みを見れば分かります。悪魔と話す仕組みが、そのまま 30 年残りました。
悪魔と戦わずに話す、学園の伝奇RPG
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 女神異聞録ペルソナ(PERSONA BE YOUR TRUE MIND) |
| 発売日 | 1996年9月20日 |
| 機種 | PlayStation |
| 開発・発売 | アトラス |
| ジャンル | ジュブナイル型伝奇ロールプレイングゲーム |
| ディレクター | 岡田耕始 |
| キャラクターデザイン | 金子一馬 |
| 音楽 | 青木秀仁、土屋憲一、目黒将司 |
舞台は瀬田区御影町という架空の街と、そこにある聖エルミン学園です。主人公たちは高校生で、日常の側に学校があり、その裏側に異界が開きます。
『真・女神転生』シリーズのスピンオフであり、女神転生系で初めて PlayStation に出た作品でもあります。ペルソナシリーズはここから始まりました。
戦闘で目を引くのが「CONTACT」コマンドです。悪魔に攻撃を仕掛ける代わりに話しかけ、興味・喜び・怒り・恐怖という 4 種類の感情を引き出します。
うまく交渉が通ると、悪魔からスペルカードが手に入ります。そのカードを 2 枚合わせるとペルソナができる、という流れです。
『真・女神転生』の悪魔合体は、仲魔にした悪魔を素材にして新しい悪魔を作る仕組みでした。初代『ペルソナ』は、その素材集めの入口を対話に置き換えています。殴って仲間にするのではなく、話して引き出す。ここが出発点でした。
本編は「セベク編」で、加えて隠しシナリオ「雪の女王編」が収録されています。別筋の物語が 1 本のソフトに同時に入っている構成です。
当時の売れ方と、海外版で削られたもの
当時の販売本数をアトラスは公表していません。ただ 3 年後の 1999 年に『ペルソナ2 罪』が出て、翌年に『罰』が続きました。1 作で終わらなかったという事実が、受け止められ方をいちばん素直に示しています。
海外での扱いは、日本とはだいぶ違いました。北米で出た『Revelations: Persona』は、キャラクターの名前が英語名に変えられています。肌の色まで描き換えられました。「雪の女王編」は翻訳が間に合わず、まるごと未収録です。
日本で当たり前に置いた設定が、海外向けには手を入れる対象になったということです。学園と制服と、日本の町並み。この土台ごと差し替えようとした結果が、あの北米版でした。
骨組みは初代から動いていない
シリーズは 1999 年の『ペルソナ2 罪』、2000 年の『罰』と続きました。2006 年に『ペルソナ3』、2008 年に『ペルソナ4』、2016 年に『ペルソナ5』が出ています。
30 年で絵も音も戦闘も作り直されましたが、骨組みは初代から動いていません。現代日本の学生が主人公であること、もう一つの自分としてのペルソナを呼び出すこと、日常の側に学校があること。この 3 つは 1 作目からあります。
「ペルソナ」という言葉も、最初から自分の内側を指していました。初代の副題は「BE YOUR TRUE MIND」です。
『ペルソナ5』の売上と 10 年の歩みは『ペルソナ5』発売10周年の記事で整理しました。あの規模に届いたシリーズの型が、30 年前の 1 本でおおむね出来上がっていたことになります。
いま遊ぶには、PSP版が入口になる
初代を遊ぶ手段は、正直なところ広くありません。オリジナルの PlayStation 版は、現行機での配信を確認できませんでした。PS Store のゲームアーカイブスにも該当ページは見当たらず、実質的に中古のパッケージが頼りです。
現実的な入口は 2009 年 4 月 29 日に出た PSP 版『ペルソナ』です。オープニングとイベントムービーが新規に作られ、楽曲も作り直されました。セーブポイントの追加やエンカウント率の調整など、遊びやすさの手当ても入っています。
PSP 版はダウンロード版も出ており、2021 年 7 月にアトラスが価格を税込 980 円まで下げました。売り場は PS3 と PS Vita の PS Store です。
2026 年 9 月時点で買えるかどうかは確認できていません。手持ちの PS3 か PS Vita があるなら、まずストアを開いて確かめるのが早いです。
PSP 版は北米と欧州でも発売されました。こちらは名前も肌の色も改変されておらず、オリジナルに近い形で遊べる唯一の英語版になっています。
名前が似ていて紛らわしい作品がもう一つあります。『女神異聞録ペルソナ 異空の塔編』です。2006 年に携帯電話向けに配信された外伝でした。
2023 年に G-MODE アーカイブス+ として Nintendo Switch と Steam に復刻されています。初代本編の移植ではないので、ここを買うと別のゲームが届きます。
Windows 95/98 版が 1999 年 3 月 25 日に出ていますが、いまの PC でそのまま動かすのは現実的ではありません。
けん玉のひとこと
30 年前の作品で今も新しいと思うのは、戦闘に「話す」を正面から置いたところ。攻撃コマンドと同じ列に交渉が並んでいて、相手の感情を読むのが手順になっているんですよね。
学園ものとダンジョン探索を組み合わせた作品は、今でこそ珍しくありません。ただ、この 2 つを 1 本に収めたうえで、悪魔との会話を戦闘の中心に据えた例は、1996 年の時点ではほとんどなかったはずです。
その代わり、初代は今の目には手ごわく映ります。ダンジョンは広く、交渉は運も絡みます。『ペルソナ5』から入った人がそのまま遊ぶと、同じシリーズの顔をした別のゲームに見えるかもしれません。
だからこそ、遊べる場所が PSP 版のストアページ 1 つに寄っている現状は惜しいところ。アトラスの和田和久さんは、『1』『2』のリメイクについて「いずれやることになるだろう」と発言しています。
計画の発表ではありません。それでも 30 年前の原点を今の形で触れるようになれば、シリーズの見え方はもう少し立体になるはずです。
悪魔に話しかけたあの 1 回が、30 年後の『ペルソナ5』まで残っています。それが分かるだけでも、いま遊んでいる 1 本の見え方は変わるはず。
PS3 か PS Vita が家にあるなら、30 周年のうちに一度だけでも御影町を歩いてみてほしいんですよね。手元にない人は、リメイクの続報を待つ側で構いません。
※ PSP版ダウンロード版の現在の取り扱いは一次情報を確認しきれていないため、誤りがあればお問い合わせからお知らせください。
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